尹美香被告の公判によって、日本の左派系市民団体とのつながりが見えてきた。そこから朝鮮学校への助成金の流れにも、疑惑が浮かんできている。
元慰安婦支援の非営利団体「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」への寄付金を横領した罪で、同団体前理事長の尹美香被告に罰金刑の有罪判決が下された。また、違法募金を摘発された非営利団体「金福童の希望」は、尹美香被告を中心に、夫であり左派団体「反核平和運動連合(現・平和と統一を開く人々)」政策委員の金三石氏と、彼の妹である金銀周氏、尹被告の補佐官を務めるチョ・ジョンフン氏などのスパイ容疑者が運営委員に名を連ねている。
金福童の希望は、朝鮮学校を支援しており、公式ホームページには「2022年3月、大阪生野朝鮮初級学校創立30周年事業に300万円の支援金を伝達した」と掲載している。
この金福童の希望は、数々の左派系市民団体とつながりを持っている。金福童さんをはじめとする元慰安婦を支援する市民団体は、東京都や「赤い羽根福祉基金」などから助成を受けている。その代表的な存在が、金福童さん本人や尹被告と親しい関係にあり、「金福童の希望」を支援している非営利団体「Colabo」(仁藤夢乃代表)だ。「赤い羽根福祉基金」によるColaboへの事業助成は、20~22年に合計2680万円にのぼり、今年3月まで助成を実施する予定。年々、金額が増えており、22年度は上限額である1000万円を助成した。
また、性的搾取や性暴力被害者救済などのNPO法人「ぱっぷす」へも、昨年度は上限1000万円を助成している。ぱっぷすとは、性的搾取や性暴力の被害者支援と問題提起を行っている団体であり、22年に「ポルノ被害と性暴力を考える会(略称・PAPS)」から名称変更した。
さらにその源流は当時、福島大学の助教授だった中里見博氏が、新左翼セクト「日本革命的共産主義者同盟」(JRCL、通称かけはし、前日本革命的共産主義者同盟第4インターナショナル日本支部)所属の森田成也氏らと結成した研究団体「ポルノ・買春問題研究会」(APP研)である。中里見氏は現在も、ぱっぷす副理事長を務めている。
ぱっぷす元副理事長だった北原みのり氏は、元慰安婦支援団体「希望のたね基金」理事である。同基金は正義連下部組織であり、朝鮮学校に奨学金を寄付している「マリーモンドジャパン」(梁澄子代表)を運営している。韓国のマリーモンドを運営しているのは、正義連だ。北原氏と梁氏はともに「Colaboと仁藤夢乃さんを支える会」支援者である。さらに梁代表は、「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」共同代表でもある。Colaboの理事には奥田知志氏が就いており、NPO法人「抱樸」理事長を務めている。「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)創設者のひとりである、市民活動家の奥田愛基氏は、奥田氏の実子。
このように、尹被告やスパイ組織が日本の左派をターゲットにして、元慰安婦支援市民団体を軸に、韓日の従北左派が根を張って拡大しているのがわかる。17年6月に衆議院第2議員会館において、希望のたね基金設立会見が開かれたときには、尹被告、北原氏、梁氏、仁藤氏の弁護士である角田由紀子氏と太田啓子氏、正義連運営による「戦争と女性の人権博物館」呼びかけ人の川田文子氏と中原道子氏、「表現の不自由展」実行委員会の岡本有佳氏などが会見に臨んだ。
こういった流れをたどると、日本での公金や募金などで得た資金は、左派系市民団体↓正義連関連↓文政権を中心としたスパイ組織などを通じて、平壌や朝総連へとつながるパイプが見えてくる。尹被告への追及によって、事態に変化は起きていくだろうか。
また、各市民団体は研究費などで得た公金の支出明細を開示する義務がある。
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