龍山の執務室に入った尹錫悦大統領が最初に行った業務は、就任式に出席した使節団との接見だった。
尹大統領は10日午後、龍山庁舎5階の接見室で米国使節団との面談を行った後、林芳正外務大臣を含む日本政府の使節団を迎えた。
尹大統領は使節団に対し「韓日両国は相互協力によって多くの成果を生み出すことが出来る。金浦羽田便の再開など、両国民の交流再開に向けて緊密に連携していこう」と語った。尹大統領は更に「岸田総理と直接対面協議できることを期待している」と述べた。
韓日首脳間の対面は6月末、スペインで実現する可能性が高い。韓日両国は6月29・30日、マドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に招請されているからだ。両国トップ同士の対面が既定路線とされるなか、首脳会談が実現するか注目される。
尹大統領は就任翌日の11日も、日本政府関係者との対面を果たした。額賀福志郎・日韓議員連盟会長と議員、河村健夫・日韓親善協会中央会会長だ。尹大統領は「韓日両国は最も近い隣人であり、民主的価値と市場経済を共有する重要な協力的パートナーだ。韓日関係改善が両国の相互利益に合致する」と述べた。
大統領候補当時から就任後まで、一貫して強調してきた対日スタンスも改めて表明し、「韓日関係の未来志向的協力を示した『金大中小渕共同宣言』を発展的に継承し、両国間の友好的な協力関係構築に向けて、新たな地平を切り拓きたいと考えています」と語った。
尹大統領は、2020年3月から中断している金浦羽田便の運航再開が必要だと指摘し「日本を訪れた韓国人がスムーズに活動できるよう(隔離)免除をお願いしたい。金浦―羽田便の再開で国民同士の交流がより活発化することを期待する」と語った。
額賀会長は尹大統領に対し「岸田総理からのメッセージ」として3項目を伝達した。
一つ目は、韓日関係を友好的協力関係へと改善させることが重要であること、二つ目は現在の国際情勢を踏まえ、韓米日の戦略的協力関係を強化し、韓国とともに責任を果たしていきたいこと、三つ目は韓日両国民の期待に応えるため、人的交流を再開したいというもの。
韓日政府レベルの接触は、就任式前日に朴振・外交部長官と林外務大臣が面談したことを含めると3日連続で行われた形だ。これは、文在寅政権までの冷え込んだ関係に終止符を打ち、今後は両国が「パートナー」としてともに力を合わせていこうという新政府の意志を示したものといえる。
これを機に両国の政治家同士の交流も成されるものと考えられる。
一方、民間経済団体の大韓商工会議所は翌月、日本商工会議所の設立100周年を記念し、SKグループの崔泰源会長を団長に据えた祝賀使節団を派遣する予定だ。
(ソウル=李民晧)
 | 尹錫悦大統領(左)と岸田文雄首相(右) |
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