産業通商資源部は1日、4月の輸出入統計を発表した。それによると先月の輸出額は前年同月に比べ576億9000万ドルで12・6%増加した。4月基準では過去最高額となった。
一方、輸入額は18・6%増の603億5000万ドルと拡大した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は26億6000万ドルの赤字となり、2カ月連続の赤字となった。赤字額は3月の1億1500万ドルから大幅に広がった。
貿易収支の赤字が拡大した原因は、ウクライナ紛争を背景にグローバルサプライチェーンが混乱、エネルギーと原材料の価格が高止まりを続けていることだ。これにより、原材料の輸入額が大きく上昇した。さらに米国の金融緊縮政策により対ドルでウォン相場が下落し輸入物価を倍加させた。
韓国政府は、文在寅政権の財政拡張路線により4年連続で財政赤字となる見込みだ。新型コロナ支援対策が1~2年間は必須と見られていることから、当面の財政の立て直しは難しいとみられる。
貿易収支の悪化が長引けば、1997年の通貨危機以来となる「双子の赤字」(財政収支と経常収支がともに赤字)も現実のものになるとの懸念が生じている。 |