姜昌一駐日大使が約1カ月にわたり韓国に滞在していることが分かった。姜大使は3月初旬に韓国へ一時帰国し、ソウルで大統領選挙の行方を見守った。
政権交代以降の韓日関係における外交ムードの変化、日本の歴史教科書問題など様々な懸案が山積みにも関わらず、駐日大使が1カ月間も任地を離れソウルに滞在しているのは職務怠慢の一言に尽きるだろう。姜大使は健康診断などの理由で来日を引き延ばしている状況だ。
姜大使は夕刊文化日報との電話インタビューで「一連のスケジュールを消化すれば出国する予定だが、コロナに感染したことで想定外の隔離期間が発生し、出国が遅れている」と説明した。しかし、そうした事情を汲んでもなお、韓日間における連絡窓口である特命全権大使の不在期間が、これほどまでに長期化することについて批判は免れない。折しも3月下旬、趙成烈・駐大阪総領事も娘の結婚式に参加するため韓国に帰国した。結局1週間以上もの間、駐日公館内の外交トップらが同じタイミングで日本を離れるという事態となった。
消息筋によると、姜大使はさらに、韓国に帰国前の東京でも新型コロナウイルスに感染していたという。駐日外交のトップが短期間に2度もコロナに感染したことで、感染対策の不備を指摘されても反論の余地はないだろう。
姜大使は赴任中、東京の赤坂や新宿などで在日同胞と会食していたという目撃談が複数ある。昨年10月に東京で開かれた姜大使の歓迎会も、在日同胞のみが参加する中途半端なイベントだったという批判の声もあった。赴任から9カ月も経ってから歓迎会が開かれたことに加え、日本の政界・経済界の重要人物らも参加を見送っていたからだ。
姜大使は、日本の外務大臣と一度も面会できないまま今の立場を退く最初の大使となるかもしれない。昨年1月の赴任当時、外務大臣だった茂木敏充・現自民党幹事長との面会も叶わなかった。さらに昨年11月、後任となった林芳正外務大臣とも未だ面会できない状態が続いている。大使の赴任から14カ月間、姜大使と面会した日本の閣僚は事実上皆無といえる。こうした姜昌一大使の状況は、対日関係の現在地をそのまま表している姿に他ならない。
(ソウル=李民晧) |