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最終更新日: 2022-06-22 05:50:32
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2022年01月26日 00:00
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◆多方面からひもとく韓国映画◆『バトル・オブ・ザ・リバー~金剛川決戦』(中国)
朝鮮の鮮血で「真相」を隠蔽した宣伝映画

©2020 China Film Co., LTD. All Rights Reserved.
下川 正晴(元毎日新聞ソウル支局長)

 朝鮮戦争における中国の「抗米援朝」戦闘を、戦争アクション劇に仕立てたプロパガンダ映画である。
原題『金剛川 THE SACRIFICE』(122分)。1953年7月、江原道華川郡の北朝鮮側「金城の戦い」で展開された中国側の渡河作戦を描いた。国粋映画『戦狼』シリーズで知られるウー・ジンら人気俳優が出演し、一昨年、中国で大ヒットした。馬鹿げたことに昨年9月、韓国の業者が国内配給しようとして批判が起き、中止になった「問題作」だ。
中国歩兵中隊、米軍パイロット、中国対空砲部隊という三者の観点から、仮設橋をめぐる攻防を描く。その製作意図は、冒頭とエンディングで明らかである。冒頭で「朝鮮戦争が勃発し、中国義勇軍が平和守護のため参戦した」と開戦の真相を隠蔽した上で、渡河作戦を「中国兵の英雄的な戦い」として美化して描いた。映画のエンディングでは、中国兵遺骨の祖国帰還シーンが流れる。巧みな国威発揚映画なのである。
「映画強国」を目指す習近平の中国は、最近、朝鮮戦争映画の製作に拍車をかけている。開戦70周年の一昨年以来、中国で製作された抗米援朝映画は4本、ドラマ2本、ドキュメンタリー10本と急増した。中国映画界はかつて韓流シネマのスタッフを招き、撮影手法を習得してきた。『金剛川』には、韓国の朝鮮戦争映画『ブラザーフッド』(2004)の影響も見られる。
日本での配給は「上映委員会」なる正体不明の団体が関与している。昨年暮れからDVD販売、レンタルも開始された。日本の観客のネット評点は1月中旬現在、2・9点ときわめて低い。
朝鮮戦争では、南北朝鮮で約350万人が死亡したほか、国連軍約15万人、中国軍約90万人が戦死した。米軍に動員された数十人以上の日本人が、朝鮮海域や陸上で死亡した。第二次大戦終結後の東アジアを「熱戦と冷戦の時代」に突き落とした戦争だったのである。
実証的な歴史研究によれば、ソ連の原爆実験成功(1949年8月)や中華人民共和国の成立(49年10月)によって自信を深めたスターリンが、金日成による再三の「南進」懇請を許可し、毛沢東が支援を約束したことで開戦に至った。共産側による「赤化統一」願望が開戦原因であったのだ。それにもかかわらず、日本のメディアでは相変わらず「戦争勃発」と真相を隠蔽した上で、「朝鮮特需」「日本人死亡」のみに言及する旧態依然たる報道が目立つ。
「金城の戦い」では韓国軍約1万人が戦死したが、この映画では米軍パイロットだけが登場する。韓国の輸入業者は「韓国軍が登場しないので(輸入しても良いかと思った)」と安易に判断したという。文在寅政権が共産側の開戦責任に言及しないまま、「終戦宣言」を目指すという現在の韓国らしい現象だ。
昨年、中国で公開された抗米援朝映画『長津湖』(2021)は、中国軍介入初期の包囲戦を描いた映画であり、中国映画史上、最もヒットした映画になった。その内容と史実との違いを指摘した中国人記者は、英雄侮辱罪で逮捕されたいわくつきの映画だ。戦争プロパガンダ映画は、戦争に向けて国民の意識を統合するメディアである。習近平の度重なる「台湾統一」発言も、その延長線上にあると見るべきであろう。

監督/クワン・フー、グオ・ファン、ルー・ヤン
キャスト/チャン・イー、ウー・ジンほか
視聴=U―NEXTなど
予告編=https://eiga.com/movie/95663/

2022-01-26 6面
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