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2021年12月01日 00:00
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デイリーNKジャパン・高英起の 髙談闊歩―第12回― 日本人拉致問題の深い闇、非人道的な北韓の工作活動

 前回の本欄で日本人拉致問題を取り上げた。横田めぐみさんが拉致された十一月十五日にあわせたものだったが、この前後に大手メディアもやはり拉致問題を報じた。ところが一週間、二週間を過ぎると一部メディアや被害者にゆかりのある地方紙を除き、拉致に関するニュースを目にしなくなった。拉致問題は日増しに風化しつつあるようだ。もちろんこうした現状がいいわけではない。
北韓には拉致被害者が未だ囚われている可能性が高く、安否すら不明だ。さらにいくつかの日本人拉致の実行犯とされる大物工作員・辛光洙(シン・グァンス)の責任も問われていない。彼は罰せられるどころか英雄として勲章をもらっている。辛光洙が関わった日本人拉致として有名なのは一九八〇年の原敕晁(はら・ただあき)さん拉致事件である。他の拉致事件同様、北韓は二〇〇二年、小泉純一郎元首相と金正日総書記の間で行われた日朝首脳会談で原さん拉致を認めた。
日朝首脳会談の二年前(二〇〇〇年)に、辛光洙を幇助した在日朝鮮人二人を直撃した。二人とも朝鮮総連に所属する人物だった。一人は大阪鶴橋の中華料理店を経営していた。今はなくなった中華料理店の営業中にアポなし、いわゆる「突撃取材」を決行した。店に入ると男性は中華鍋を振っていた。原さん拉致を糾すも認めるわけがない。業務用の大きな中華お玉でぶん殴られることも覚悟して食い下がったが、最後まで「なんのことか知らん。商売の邪魔やから出て行ってくれ!」の一点張り。どこにでもいる普通のオヤジが、日本人拉致に関わっていたことに心底震撼した。
重要なのは、辛光洙と総連組織員が日本人拉致に関わったことは一九八五年、韓国国家安全企画部(現:国家情報院)によって、明らかにされていたことだ。同年六月二八日付けの朝日新聞(夕刊)も「日本人ら致なりすます北朝鮮スパイ拘束」として事件の詳細を報じていた。先述の在日朝鮮人二名の実名も挙がっていた。拘束された辛光洙が自供したのだ。ここに日本人拉致問題の深い闇がある。日本人拉致が頻繁に行われていたのは七〇年代や八〇年代だ。
しかし、二〇〇〇年頃まで拉致事件に切り込もうとするマス・メディアやジャーナリストはごく一部だった。世間一般では「真偽不明の怪しい事件」、または「都市伝説」のごとく語られていた。一方、朝鮮総連は「共和国(北朝鮮)と総連を貶める破廉恥極まりないねつ造だ」と主張しながら、メディアに圧力をかけた。拉致問題や北韓の人権改善を訴える集会などには時には暴力でもって不当な圧力をかけた。前回も述べたとおり、二〇〇二年の日朝会談でようやく風向きは変わるが、事件発生から日本社会が北韓の拉致を認識し、声を上げるまでに、三〇年以上もかかった。そして半世紀経とうとしているが事件は解明されておらず、解決の道も半ばだ。過去の事件であれ、他国の無辜の民間人も巻き込む非人道的な北韓の工作活動を、このまま見過ごしてはならない。

高英起(コ・ヨンギ)
在日2世で、北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。著書に『北朝鮮ポップスの世界』『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』など。YouTube高英起チャンネルでも情報発信中!

2021-12-01 4面
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