先月末から今月にかけて、ローマでG20が、英国・グラスゴーでCOP26が開かれた。一連の多国間外交の舞台で文在寅大統領は各国首脳との会談を推進したが、岸田文雄首相とは、会うことすらできなかった▼韓国では岸田首相の現地滞在が短かったことなどが原因に挙げられているが、本当にそうだろうか。文大統領は岸田首相との初の電話会談で、徴用工と慰安婦問題の解決に向けた早急な対話の必要性を何回も強調したが、岸田首相は「徴用工と慰安婦問題は最終的に解決されており、韓国が解決策を提示すべき」という従来の立場を繰り返した▼政府間の溝は深い。以前はあった両国間のパイプさえ閉ざされ、一切のコミュニケーションがとれていない状態だ。もし、欧州の地で首脳会談が実現していたとしても、現状に変化は起きなかっただろう▼日本の政府内には、現政権と話をしても意味がないという雰囲気が漂っていると言われている。とはいえ、文大統領が退任したら韓日関係は改善されるのかと問われれば、「イエス」と断言できる人はいまい▼日本では緊急事態宣言が解除され、各地のコリアンタウンに人が戻り始めている。相変わらず文化コンテンツへの関心は失われていない。再開された韓日交流イベントも盛況だ▼交流の現場では、「両国関係は史上最悪だが、こういう時こそ交流を」という言葉が挨拶代わりになっている。草の根の民間交流を絶やさない努力が大切ということは、韓日友好を祈るすべての人に共通する想いだろう。 |