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2021年11月03日 00:00
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東京測地系→世界測地系 韓国経済が抱える弱点
雇用・金利・不動産投資に注目

 新型コロナウイルスの感染に収束の兆しがなかなか見えない中、世界的なインフレリスクが高まり、米国の市場金利も上昇傾向を示し、国際金融市場の潮目の変化も感じられ始めている。そして、「景気低迷の中での物価上昇」を意味する、「スタグフレーション」の声も少しずつ聞かれるようになり、世界各国に、「景気先行き不安」が募りつつある。韓国ももちろん例外ではない。
ウォン安、株安、債券安というトリプル安が発生し、なかんずく急激なウォン安が進展すれば1997年のアジア通貨危機が発生した時のように再び、米ドル建て債務の返済が為替レートの急変によって発生しかねないというリスクもちらつく。
もちろん、こうした通貨危機は究極の事態であり、簡単には発生しないと考えておきたいが、しかし、このように究極の事態が想定されるようになると、韓国経済の様々な弱点に目が行くようになる。
その一つが「雇用情勢」ということになろう。雇用が悪化すれば、当然のことながら内需は傷む。雇用の悪化と内需の低迷は、社会不安にもつながる可能性がある。
金富謙国務総理は、韓国の9月の雇用動向について、「8月の20代・30代の雇用率は昨年より上昇した。遅れたものの、韓国政府と民間が力を合わせて努力した成果である」とコメントした。9月の雇用動向を見ると、昨年同月対比で20代は3・3%、30代は1・3%雇用率が上昇、確かに改善している。
金国務総理は、「韓国政府は、現場の青年たちは順風ではなく、まだ逆風の中にいるということをよく理解している。対策は、ここには留まらない」と韓国政府の雇用機会造成努力を続けることを強調している。
金融の側面から、韓国経済を眺めてみると、中央銀行である韓国銀行の李総裁は、「今の経済動向から予想すると、11月に基準金利を引き上げても、大きな困難がないのではないかと期待する」と述べ、国会国政監査では、「100%断言することはできない」としながらも、11月の利上げを強力に示唆し始めている。
景気の先行きに明るさがなかなか見られない中、インフレが進み、金利の引き上げを示唆したと筆者には見えるが、その背景には李総裁は、「米国金利の上昇によって、韓国から米国への資金逃避の可能性が見られる。即ち、ウォン安の発生を危惧して、米国との金利差を回避すべく、韓国の金利も引き上げウォン安、そして通貨危機回避に向かう姿勢を明確に示した」とも見て取れるのである。
一方で、韓国では借金をして原資を作り投資をすることも含めて不動産投資、そして最近では株式投資にも積極的な姿勢を示す国民が多い。
もし、ここで韓国国内金利が上昇すると、こうした韓国国民による投資は投資利益が取れず破綻、そして返済不能、これが不良債権化し、国内発の金融危機に陥る危険性もあり、韓国の金融当局にとっては、「もろ刃の剣」になる可能性もある。
文政権は不動産投機を抑制する政策対応を大統領就任後から一貫して示してきていたが、「国民の力」のキム・サンフン議員は、「17年6月~21年6月のソウルのアパート売買現況を分析した結果、ソウルの不動産のうち、9億ウォンを超えるアパートの割合は、文政権が発足した17年6月には15・7%であったが、その任期終盤近くなった21年6月には56・8%へと上昇している」と報告。また不動産価格相場が15億ウォンを超える超高額マンションの割合も、同期間3・9%から22・4%に増加しているとも報告した。
文政権になってむしろソウルの不動産価格の高騰が見られていることが改めて指摘され、政治問題化する可能性が出てきているのである。
こうして外部環境の変化を背景として、韓国経済に焦点をあてて眺めると、決して楽観視が出来ない状況が見えてくる。
(愛知淑徳大学ビジネス学部ビジネス研究科教授 真田幸光)

2021-11-03 2面
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