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最終更新日: 2021-12-01 00:00:00
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2021年10月20日 00:00
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反人道的犯罪「北送」の責任追及
日本初「北韓政府」を被告とした裁判

北送工作は「国家による誘拐行為」だったとして、脱北者5人と弁護団が、日本国内で初めて北韓政府を相手に起こした訴訟の審理が14日、東京地裁の民事第5部で開かれた。2018年の提訴から3年越しの開廷となったこの訴訟では、形式的ではあるものの、金正恩が被告の代表として呼び出しを受ける異例のものとなった。

 いわゆる「帰還事業」と称される北送工作活動は、1950年代に主に在日朝鮮人とその家族を対象として行われたものだ。
北が「地上の楽園である」という虚偽宣伝は、朝総連を通じて執拗に流布された。平壌から指令を受けた朝総連の活動家は、「帰国」を推進する集会を全国で開催したほか、朝鮮学校でも刷り込み教育を行い、対象者を連日訪問して北の豊かさを力説、錯誤に陥れた。
1959~84年の間に北に渡ったのは9万3340人。そのうち少なくとも6839人が、日本人妻など日本国籍保有者だった。

結審後の記者会見に応じた川崎栄子さんら脱北者5人


■訴訟の趣旨

東京地裁103号法廷では14日、2108年8月20日に脱北者の原告5人(川崎栄子・榊原洋子・高政美・齋藤博子・石川学)が起こした提訴に対する審理が3年越しに開かれた。
裁判では、原告の5人に本人尋問が行われ、それぞれが北韓に渡った経緯を説明し、その後どのような生活を強いられたかを証言した。
弁護団は「帰国事業は被告(北韓政府)の政治的及び経済的な目的のもと、国家事業として実施された」として、「原告らに生じた精神的苦痛を慰謝するに足る金額は、少なくとも1人あたり1億円を下ることはない」と計5億円の損害賠償請求を行った。
事前に予想した通り、北韓政府側は応訴しなかったため、訴訟はこの日で結審。判決は2022年3月23日の15時に同法廷で言い渡される。

■訴訟に至った経緯

朝総連を被告とした北送工作についての訴訟は過去に2度行われていたが、いずれも時効・除斥期間の問題で原告側が敗訴していた。
また、川崎栄子さんは18年2月、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に金正恩と朝総連の許宗萬議長の処罰を求める申立書を提出したが、こちらは「ICCローマ規程発効(02年7月1日)後に行われる犯罪に限定する」という時間管轄権に抵触したため、こちらも却下。思い悩んでいた中、契機となったのが米国での民事訴訟だった。
16年に観光で北韓を訪れ、抑留・拷問された故オットー・ワームビア氏の両親が、18年4月に北韓政府を相手に提訴。11億5000万ドルの賠償請求に、米連邦地裁は同年12月、5億113万ドルの賠償を命令する判決を出した。
この迅速な対応を知った川崎さんが、NGOの「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の土井香苗・日本代表に打診し、今回の提訴につながったという。

■何が争点となったか

今回の訴訟では、(1)本件の不法行為は日本国内で行われたこと(2)被告は国家の主権免除を享受しないこと(3)日本法に準拠すること(4)除斥期間(20年)が経過していないことが訴訟要件として挙げられた。
特に争点となったのは除斥期間だ。前述の通り、朝総連を被告とした裁判では北送から30年以上が経過したことで、不法行為から20年以内でなければ損害賠償の請求権が消える「除斥期間」のハードルに阻まれた。
原告側弁護団は、加害行為が「渡北から脱北まで」継続していたと規定することで、これをクリアしたと語った。

■原告側の狙い

原告側と弁護団は、仮に勝訴したとしても北韓政府が賠償に応じるとは思っていない。しかし将来的に、北韓政府に責任を追及する際の足掛かりとなり得ると考えている。
閉廷後の記者会見で川崎さんは、今回の裁判について「ゴールではなく、始まりに過ぎない。家族とも会える日が来るまで戦い続けていく」と述べた。
原告側の福田健治弁護士は、「北韓政府が組織的に行った人権侵害に対し、この責任を追及する場はなかなかない。仮に誰かが救済を与えるとすれば、日本国内の裁判所が最後の場である。そのような期待に裁判所が応え、正義をもたらしてくれると信じている」と話した。
裁判官らは真剣に耳を傾けている印象だった。原告への補充尋問がないことが気になったとの声もあったが、東京地裁はどのような結論を下すのか。

■今後の課題


なお、今回の裁判が開かれるまでの期間において、朝総連による妨害行為などはなかったという。関係者は「当日に朝総連関係者と思われる数人が傍聴していた」と話したものの、立場を明確にした抗議などは見られなかった。川崎さんが以前、日本のバラエティ番組に出演した際に、当該局の前で激しい抗議活動が行われたこととは対照的だ。
朝総連に抗議活動を行う活動家は、「テレビ局は攻撃できても、日本政府とことを構える気はないのでは。むしろ沈黙するように指令が来ているのかもしれない」と推測している。
本件に対し、在日社会はどれだけの関心を持っているのだろうか。原告側が記者会見で語った通り、裁判の実現までに多くの人々が尽力した。だが、そこに参加した民団や朝総連の関係者はごくわずかだ。
民団にも朝鮮大学校・朝総連出身者は少なくない。自らの身内が北に送られた者もいるはずだ。本来これは、朝総連や民団が先頭に立って行うべき活動ではないだろうか。今回の裁判で浮き彫りになった課題の一つと言えるだろう。

2021-10-20 4面
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