国会立法調査処は、報告書「経済協力開発機構(OECD)加盟国の相続関連税制と示唆点」を発刊した。
同書のなかで、「相続税の負担を軽減することを検討すべきだ」と税制改正を提言した。
韓国では、相続税率が高いことが原因で、親族による事業承継を断念するケースが相次いでいることから、税制を改正すべきだという声が高まっている。
OECD加盟38カ国の中で相続税を採用している国は24カ国。このなかで相続税の最高税率は、日本が55%と一番高く、韓国が50%で2番目。だが韓国は、筆頭株主の株式については割増税率が適用されることから、名目相続税率は60%に上る。また韓国は相続財産全体に税金を課す相続税方式を採用しており、この形式は4カ国のみ。
昨年死去した李健煕・サムスン電子元会長の場合、相続税が総額12兆ウォンを超える。総資産に対して相続税額が決められるので、分割相続してもこの金額を納めなければならない。
立法調査処は、今回の報告書で、相続人が遺産を分割して受けとる場合、課税標準区分と税率を適用する遺産取得税方式を採用すれば税負担を軽減できると提言した。
韓国財閥では相続税の支払いのためにグループ株を売却することも多く、代替わりを機に企業グループが分割される例もある。世襲制度の是非はあるが、韓国経済をけん引する企業が存続するか否かの危機に直面する危険性もある。
一方、日本では、2018年から非上場の中小企業が株式を相続した場合、100%相続税を免除するなどの中小企業の事業継承への対策を講じている。 |