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最終更新日: 2021-10-13 00:00:00
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2021年10月06日 00:00
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豪州産石炭禁輸で自縄自縛の中国
工場が稼働停止 今冬の暖房用不足も

今秋の韓国の空は例年になく青く澄んでいる。韓半島に流入する中国由来の汚染物質量が大きく減少し、明らかに大気の状態が改善したからだ。韓国がPM2・5の影響を受けない澄んだ秋空を取り戻したのは、中国が豪州産の石炭輸入を停止し、工場の稼働がストップした影響が大きい。石炭の輸出入を巡る豪州と中国間の摩擦について背景を探った。
(ソウル=李民晧)


青く澄んだソウルの秋空


今年9月、ソウルでは雲一つない晴天の日が続いた。ソウル・南山から50キロほど離れた仁川近海が望めるほどの快晴だ。
数値上でも確認できた。ソウル市の大気汚染情報統計によると、先月におけるソウルのPM2・5濃度は1日平均7(マイクログラム/m3)以下だった。事実上、汚染物資がゼロの日(5以下)も17日に上った。半面、コロナ前の2019年9月、中国の工場が汚染物質を放出していた頃、ソウルのPM2・5濃度は1日平均12から18に達し、今年の同月比では2倍の濃度を示していた。
このように、ソウルが澄んだ秋空を取り戻したのは中国の工場がストップしたことに影響している。火力発電によるPM2・5の韓半島への流入が大きく減少したのだ。
中国北東部の満州地域と、浙江・広東・江蘇省などの産業密集地域は最近、停電と断電を繰り返している。中国は、改革開放経済政策の展開から40年目にして最悪の電力不足に陥っているのだ。

9月27日、中国東部、江蘇省南京の石炭火力発電所冷却塔から蒸気が噴き出している様子



 50%超も急騰の石炭価格

直接的な要因は、発電用石炭価格の引き上げによる電力生産不足だ。供給量が需要に追い付かず、電力不足は徐々に深刻化している。江蘇省は、先月の電力使用量が多い鉄鋼、化学工業、セメントなどの業種に対して工場の稼働中断を命じ、現在も継続している。これに伴い、江蘇省・張家港市にある韓国鉄鋼企業POSCOのステンレス生産工場も9月17日から一部ラインで稼働を中止した。
電力不足が深刻な浙江・広東などの地域は「世界の煙突」の異名でも分かるように、中国が誇る生産工場の密集地だ。今回の事態を受けて、中国は電力確保に向けて本腰を入れ始めた。石油・石炭などのエネルギー関連企業が直面する冬季の電力需要に向け「あらゆる手立てを講じよ」と中国共産党が命じたことを報じるメディア(ブルームバーグ通信、9月30日)もあった。
石炭火力発電は、20年ベースで中国の全電力生産の68%(中国電力企業連合会の資料から)を占めている。エネルギー構造が火力発電に偏っている中国で、発電用石炭価格は今年の年初に比べて50%以上高騰した。このため、火力発電所がコスト削減のために発電量を縮小しているのだ。

中国当局の豪州制裁が裏目に


中国と海外メディアの報道を総合すると、中国内の31自治区のうち現在、約20区が電力不足に陥っている。電気は1ワットの不足が生じた段階でいわゆる「ブラックアウト」(広域停電)が起きる。中国の各工場は停電や断電による「シャットダウン」を懸念し、制限的な稼働を続けている。加えて、各工場はブラックアウトに備えて24時間体制に踏み切る状況だという。
中国の電力不足を招いた要因は、他でもない中国政府にある。中国は昨年末、豪州に対する貿易制裁を実施し、豪州産石炭を13の制裁品目に加えた。当局による豪州産石炭輸入の制限が、巡り巡って自国にブーメランとして返ってきた格好だ。
世界最大の石炭消費国である中国は、発電用石炭の57%(19年)を豪州からの輸入に頼っている。その豪州に対し、中国が貿易上の報復に乗り出したのには理由がある。豪州が昨年、「コロナの起源は中国である」との説に対して詳しい調査を求めたほか、通信会社ファーウェイの製品を排除した米国に賛同するなどの行為を裏切りとみなし、中国が反撃に出たのだ。中国は、石炭輸入の制限によって豪州が屈服するものと見込んでいた。
しかし豪州は何らの痛みを負うこともなく制裁を受け入れた一方、中国と締結した一帯一路協定を破棄(今年4月、ビクトリア州政府)。さらには米国との合同軍事訓練の強化を発表した。
中国が握る石炭確保の代替カードは心許ない。中国の内蒙古にある露天炭鉱の石炭は、工業地帯から遠いため物流コストが高く、石炭の品質も良好とはいえない。南アフリカ共和国、コロンビアなど他国からの石炭輸入も難しい。豪州よりはるかに遠く、内部輸送インフラが整備されていないため数倍もの運送費を要する。石炭品質も豪州産に比べて著しく劣る。こうした複数の観点から、中国は豪州産に代わるカードを探しあぐねている状況だ。
冬が近づくにつれ、中国では産業発電用に加えて家庭向け暖房用石炭の需要も増加する。こうした状況を鑑みると、中国が豪州に頭を下げ、豪州産石炭の輸入再開を目指す策が賢明といえるだろう。しかし、メンツを重んじる政府が一度下した決定を覆すことは容易ではないはずだ。
中国は石炭貿易戦争で豪州に攻撃を加え、豪州はこれに屈することなく立ち向かった。その結果、中国は電力需要の逼迫という危機に直面した。結果的に、韓国はPM2・5のない澄んだ秋空を取り戻すことができた。豪州は韓国と同様、対中貿易依存度が非常に高い。中国に対する豪州の姿勢は、韓国が見習うべき教訓と示唆に富んでいるといえる。

2021-10-06 3面
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