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最終更新日: 2021-10-20 00:00:00
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2021年08月31日 17:22
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【映画】「白頭山大噴火」(韓国)
「民族の聖地」を無駄に消費した韓流災害映画

©2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

 「朝鮮民族の聖地」は、いつ爆発するか。
その火山史的な不安感を背景にした映画だ。中朝国境の名峰・白頭山(2744メートル)は、地質学的には活火山である。高麗前期の946年に起きた大噴火が、世界最大級のものとして知られてきた。イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソクという三大スターが競演した。想定される自然災害と北朝鮮の核兵器活用をドッキングさせた韓流特撮映画である。韓国で820万人超の観客を動員した。
韓国の災害映画としては、大津波が釜山を襲う『TSUNAMI』(2010)がある。韓国で1150万人が見た。『白頭山大噴火』は観客数だけでなく、筋立て(脚本)も『TSUNAMI』に及ばなかった。映画が始まって間もなく、白頭山が早々と爆発してしまう。映画前半部では平穏な市民生活を描くという災害映画の定型を無視した展開なのである。ところが後続部分に、それを上回る卓抜な脚本力がない。
白頭山が「朝鮮民族の聖地」として認識されるようになったのは、植民統治時代である。それが朝鮮ナショナリズムの起源だ。戦後の韓国ナショナリズムは、ソウル五輪(1988)で完成型になり、「反日民族主義」として消費されてきた。そういった歴史的経緯が『白頭山大噴火』には見られないのは、映画の国際的市場を意識したためだろう。
韓流ドラマ『愛の不時着』(2019)など成功作の勝因は、奇想天外な構想と巧みなドラマ展開を兼備した優れた脚本力にある。ところが最近の韓流シネマでは、期待作だった『新感染列島 ファイナル・ステージ』(20年)に見られるように、展開力が貧弱な作品が目立つようになってきた。
『白頭山大噴火』は、英語題が『アッシュ・フォール(降灰)』である。凡百の災害映画を連想させるタイトルだ。映画の内容も斬新さに欠ける。韓国ネットには、ロサンゼルスのど真ん中で火山が噴火する米国映画『ボルケーノ』(1997)との類似性を指摘する記事がある。しかし日本の災害映画を見慣れた観客の目には、草彅剛が主演した『日本沈没』(2006)との類似性を感じさせる。地下のマグマだまりを高性能爆弾(ないし核爆弾)で破砕して危機を回避するというアイデアは、既に使用済みだったからだ。
韓流シネマのヒット作は、初期の『シュリ』(1999)や『JSA』(2001)が典型だったように、韓国VS北朝鮮の対立状況を背景に、個々のドラマをハリウッド流の手法で描いて成功を収めてきた。しかし今や南北の現実は、文在寅大統領と金正恩書紀が並んで白頭山頂に立つという派手な展開にもかかわらず、演出された「南北の和解」が自己陶酔的なマンネリ感を与えているのが現状である。その現実世界での行き詰まり感を映画的な想像力で突破できないのが、南北問題を背景にした最近の韓流シネマの抱える問題点である。
主演俳優のイ・ビョンホンは北朝鮮なまりを駆使するなど、相変わらず達者な演技を見せている。しかし、この映画は、彼の代表作とはなりえない。ストーリー展開はごった煮の印象が強く、『王になった男』(2012)や『密偵』(16年)などの秀作と較べると、かなり見劣りすると言うしかない。

監督/イ・ヘジュン、キム・ビョンソ
出演/イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソ   ク、チョン・ヘジン、ペ・スジ

下川正晴(元毎日新聞ソウル支局長)

8月27日(金)からTOHOシネマズ日比谷他全国上映中。
公式HP=https://paektusan-movie.com/

2021-08-31 6面
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