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最終更新日: 2021-10-20 00:00:00
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2021年07月28日 00:00
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【映画】『返校 言葉が消えた日』(台湾)
「白色テロ」時代の高校生活の恐怖を描く

台湾の白色テロ時代とは何か。
共産中国の覇権主義が膨張する中で、台湾の動向に世界の目が向けられる。一連の香港事態と併せ、21世紀の必然的な趨勢とも言える。台湾の戦後史がようやく、日本人の関心の対象になってきたのは良いことだ。
30日からロードショー公開予定の台湾映画『返校 言葉が消えた日』(ジョン・スー監督)は、台湾のアカデミー賞とされる「第56回金馬奨」(2019年)で、最優秀新人監督賞など最多5部門を受賞した作品だ。1962年に台湾の高校で起きた読書会迫害事件を描いた。台湾映画が得意とする学園スリラーに白色テロという時代背景を加え、スリリングな出来に仕上がった。
©1 PRODUCTION FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.
 放課後の教室で眠り込んでいた女子高生が目を覚ますと、人の姿が消えていて、学校は別世界のような奇妙な空気に満ちていた。校内をさまよう彼女は、男子学生に出会い、学校から脱出しようとするが、どうしても外に出られない。二人はやがて政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った密告者の真相に近づいていく―という劇映画である。
ここで言う「政府による暴力的な迫害事件」が、台湾の白色テロである。白色テロは、フランス革命時代に起源がある。政府権力による組織的なテロと定義される。私も台湾取材を始めるまで、47年の「2・28事件」(国民党軍による台湾人大量虐殺)以降も白色テロが続き、多くの台湾人が虐殺・逮捕されていたことを知らなかった。
呉密察監修『台湾史小辞典』によれば、台湾の白色テロは、むやみな逮捕・殺害と無数の冤罪事件から成り立つ。共産党スパイ摘発の口実で拷問が加えられ、粗雑な裁判と厳しい刑執行が待ち構えていた。学友の間にすら「密告」が横行した。「4000人が銃殺され8000人が入獄した」と言われるが、死亡者名簿に記載されたのは1017人に過ぎない。台北郊外にある国家人権博物館は、白色テロの現場だった収容所跡に建てられた必見の施設である。
中国共産党による香港市民への弾圧は、台湾の「白色テロ」を強く連想させる。快活な女子学生・周庭氏の打ちひしがれた表情は、現代の悲劇の象徴だ。共産中国によるウイグル人虐殺など一連の人民弾圧も白色テロである。スターリンによる大量虐殺も白色テロである。
韓国では、済州島4・3事件や麗水反乱事件まで「白色テロ」とされるケースがある。これは誤用である。南朝鮮労働党による武装蜂起が先行しており、真相は過剰鎮圧である。朝鮮戦争はスターリン・金日成・毛沢東による計画的な赤化南侵戦争であった。朝鮮半島の場合、共産勢力側から仕掛けて、内戦および国際戦争に至った。無辜の市民が国府軍に虐殺された台湾とは、状況がまるで違うのだ。
2・28事件から白色テロ時代を背景にした台湾映画には、『悲情城市』(89年)、『牯嶺街少年殺人事件』(91年)という二大秀作がある。戦後台湾史は、中国・朝鮮に偏重した東アジア史を再検証する鏡である。台湾史を理解すれば、朝鮮史の真実も見える。映画鑑賞を契機に台湾史研究に進みたい。伊藤潔『台湾―四百年の歴史と展望』(中公新書、93年)を入門書としてお勧めしたい。

原題/返校 103分
監督/ジョン・スー
出演/ワン・ジン、ツォン・ジンファ、フー・モンボーほか

下川正晴(元毎日新聞ソウル支局長)

公開=7月30日(金)TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー
公式HP=https://henko-movie.com/

2021-07-28 6面
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