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最終更新日: 2021-04-14 00:00:00
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2021年04月07日 00:00
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朝鮮女優史感 最終回

 日本統治下朝鮮で「創氏改名」「朝鮮語の使用禁止」「神社参拝強要」など最終的な植民地政策に入り、民族性が失われていった頃、「半島において事例のない興行成績を上げた」映画があった。それは、スター女優の文藝峰が主演した『朝鮮海峡』(公開=1943、発掘=2005)である。
完全な映画統制体制に入った後、朝鮮だけを対象としたこの映画は、女性を表に出し、産業戦士としての銃後婦人の姿を描いている。これまで戦時下宣伝映画では子供や学生、志願兵など男性が主流であり、特に日本語が未熟だった文藝峰は端役を務めていたが、女性主演宣伝映画への出演によって、演技者として活躍する機会が与えられた。そして、これまで身に付けた抑制された演技スタイルを活かし、最高の評価を受ける。初めて全編にわたり日本語で演じた文藝峰は、言葉で上手く伝えられない感情を、仕草や表情を利用して表現している。まるでトーキー映画の中で無声映画の演技を披露するかのようだ。それほど、彼女の感情は言葉ではなく、映像を通して描かれているところが多い。そのため、この映画にはイデオロギーの宣伝性が欠ける結果になった。例えば、突然家を出た夫が志願兵になったことを町の志願兵の行列で発見した時、文藝峰は喜びのない、哀切な顔で追いかけていく。また、離れていく志願兵の行列を見つめた後、文藝峰は工場で産業戦士になるが、その時の顔つきは、ただ夫を懐かしく思うだけである。シナリオに書いてある「私は愚かものでした。…私は自分自身をとても軽蔑してしまいました。私は何か、急に生まれ変わったような気がします。これから私も強く、強くなります」という言葉は映画で削除され、戦争に協力しようとする強い決心はまったく感じられない。また、最後に、身分差が理由で結婚に反対した夫の父親が、息子の志願兵応募の後、嫁として受け入れる場面がある。その時、文藝峰はあふれる涙を抑えつつ、複雑な笑みを浮かべる。ここの演技には含みが見て取れる。自分のため、夫が戦場で負傷し、嫁になれた今を素直に喜べないのである。朝鮮が一方的に日本の帝国主義戦争に動員される状況下で、映画の中での人物造形、成長表現は極めて難しく、文藝峰の演技も微妙であった。協力と見せながら抵抗を潜ませ、抵抗を滲ませながら協力するスタイルである。
ここで文藝峰の演技スタイルは完成するが、そのスタイルとは、感情の抑制された演技力もさることながら、母国語を奪われた抑圧に耐える朝鮮女優の立場から起因するものであった。『朝鮮海峡』が「半島において事例のない興行成績を上げた」理由とは、抑圧された民族の心を大切にした文藝峰の人間的な成熟による表現に負うところが大きい。これこそが、朝鮮を代表する女優が見せた最高の演技であり、また最後の演技であった。終戦後、文藝峰は左翼と右翼に分かれた混乱する朝鮮半島で、新しい演技人生を迎えるため、北朝鮮に渡った。(終)

李瑛恩(芸名イ・アイ) 韓国の女優。日本大学芸術学部で、学士、修士、博士の学位を取得。主演作として『大韓民国1%』『ダイナマイト・ファミリー』などがある。
※「朝鮮女優史」は、今回が最終回となります。

2021-04-07 6面
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