1週間後の4月7日、韓国の2大都市、ソウルと釜山で市長の補欠選挙を迎える。いずれも現与党系の前市長の醜聞の末に実施されるものだ▼ソウル市の与党系候補は朴映宣氏。元アナウンサーで、共に民主党の”顔”といえる。対する野党は、元ソウル市長の呉世勲氏を擁立した。釜山市では海洋水産部の長官を務めた金栄春氏が与党候補、元政務首席秘書官の朴亨埈氏が野党候補として立候補した▼今回の選挙は、次期大統領選の”前哨戦”といわれている。当然、残り1年余りとなった文在寅大統領の政権運営を占うことにもなる▼両都市とも、野党候補の優勢が伝えられている。前述の通り、与党系市長の醜聞が原因の選挙であり、また野党が候補者の一本化に成功したからだ▼仮に今回の選挙で与党系候補が勝利した場合、韓国の左傾化はさらに進み、後戻りできないレベルになると懸念する声がある。今のところ、両市長選は野党候補が支持率で与党候補を上回っている▼この傾向は来年3月に実施予定の大統領選でも同様だ。「次期大統領にふさわしい人物」を問う世論調査では、曺国法相の起訴を主導し、3月に検事総長を辞任したばかりの尹錫悦氏がトップ。尹氏の所属政党は不明だが、現政権に国民が「NO」を突きつけているのは事実だ▼ただ、何が起きるかわからないのが選挙だ。疑いたくはないが、補欠選で不正が行われる可能性もある。ソウル、釜山の両市民には自由民主主義を守るというつもりで権利行使をしてもらいたい。 |