1年後の大統領選挙までには、様々の変数が存在する。韓国の大統領選挙は投票1カ月前になっても「読めない」という言葉が表す通り、現時点では有力候補をむやみに予測することは難しい。しかし、選挙の行方をある程度、見定めることができる羅針盤は存在する。大統領選挙が行われるたび当選者を的中させてきた地域と年齢層がある。
全国の地方自治体のうち、仁川は歴代の大統領選挙で選挙区と全体の結果が同一となる地域として知られている。実際、2017年の大統領選挙で当選した文在寅大統領の全国得票率と仁川地域の得票率の差はわずか0・1%だった。
仁川の中でも、南洞区は特に驚くべき的中率を誇る。大統領の直接選挙制が再開された1987年から2017年までに実施された7回の大統領選挙で、全国開票結果と南洞区の開票結果はほぼ同一だった。さらに、1位と2位の候補の得票率までほぼ同数だったのだ。
17年の第19代大統領選挙時における全国と仁川南洞区の得票率は、文在寅候補がそれぞれ41・0%、41・7%を記録。洪準杓候補は24・0%、20・3%という結果だった。仁川南洞区の住民の声にこそ耳を傾けるべき理由は、有権者の年齢層と男女比などが全国の人口分布とシンクロしているからだ。
年齢層別では、「50代の投票傾向」が羅針盤の役割を担っている。17年の大統領選挙時、地上波テレビの出口調査によると、50代の投票傾向は全体の傾向とほぼ同じだったことが判明した。当時の50代の全国得票率と地上波テレビの出口調査の得票率は、文在寅候補が41・1%と36・9%、洪準杓候補が24・0%と26・8%で、まさに誤差ともいえるシンクロ率だった。
よって、来年3月の大統領選の行方は「50代の一票」をどの政党が獲得し、無党派層の支持を押さえるかがカギとなる見込みだ。 |