公職の地位にある者が、事前に入手した「第3期新都市指定情報」を利用して不動産の違法投機を行ったとの疑惑が生じている。国土交通部傘下の韓国土地住宅公社(LH)職員らが、京畿道の光明や始興など、先月指定された新都市地域の土地を政府発表前に買収したことが発覚したものだ。
青瓦台の康珉碩スポークスマンは4日、青瓦台のブリーフィングで「新都市投機疑惑が一部の職員による個人的行為だったのか、それともより根深い腐敗構造に起因しているのかを究明し、抜本的に対処せよ」という大統領の指示を代弁した。
これに伴い政府は、国務調整室の国務第1次長をトップとする合同調査団を構成。国土部とLH全職員に対する調査を進めている。しかし、調査によって事実が明らかになったとしても、当該職員らを刑事処分することは容易ではないという懸念がある。事前情報を得て当該地域の土地を買収したことが判明した職員は、現時点で13人。それぞれ土地7000坪ほどを約100億ウォンで購入していた。
 | 韓国土地住宅公社(LH)の職員らが謝罪 | しかし、これが事実として立証された場合でも現行法上の処分は極めて軽いため、再発防止の効力は不十分といえる。
現行の腐敗防止法上「業務の中で知り得た秘密を利用して不動産投機をした場合」に該当すると最大7年以下の懲役、7000万ウォン以下の罰金が科される。公共住宅特別法上の不動産投機防止対策違反罪は、処罰の程度がさらに軽い。「業務の中で知り得た住宅地域指定情報を利用して不動産投機を行った場合」が立証されれば、5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金だ。
さらに今回は、捜査権をもたない国務総理室が調査の指揮を執っているほか、政府合同捜査団に国土交通部が含まれていることも問題だ。「臭いものに蓋」との疑惑を増幅させるからだ。行政府が調査をリードしていること自体、調査をなおざりにしている印象を受ける。
かつて検察が特別捜査団を別途構成して捜査した1、2期新都市造成の際は、公務員らによる投機が多数摘発された。検察は1990~91年に不動産投機で1万3000人を摘発し、987人を逮捕した。この際、金品の授受や文書偽造などに加担して逮捕された公職者は131人。2005年の廬武鉉政府当時も不動産投機で公務員27人が摘発された。
一方、今月2日、市民団体はLH職員が購入した土地現況資料を公開した。資料によると、始興市果林洞の某畑は19年6月3日、5人のLH職員が二つに分割して買い入れた。畑のうち3996平方メートルは職員4人が15億1000万ウォンで共同購入し、2793平方メートルは職員1人が知人と共に10億3000万ウォンで買い入れた。ある職員は6人で22億5000万ウォンをかけて5025平方メートルを買い入れた後、筆地持分の所有権を1407平方メートル、1288平方メートル、1163平方メートル、1167平方メートルなど四つに分割した。LHの代土補償基準となる1000平方メートル以上で分割された形だ。もし、この土地を分割しなかった場合は家1棟分と補償としての現金のみを受領していたはずだ。しかし四つに分割したことで家4棟と現金補償を受けることができたのだ。
LH職員らはまた、道路に面していないことで投機価値が下がる「袋地」を買い入れた。その直後、この袋地は新都市開発地域に指定され地価が購入価格の3倍に急騰した。
偶然にも今回、国土交通部トップとなった卞彰欽長官の前職はLH公社の代表取締役社長だ。市民からは「泥棒に金塊を預けたようなもの」「不動産投機家が投機を防止する機関の公務員とは」との批判が相次いでいる。
(ソウル=李民晧) |