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最終更新日: 2021-04-21 00:00:00
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2021年03月03日 00:00
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朝鮮女優史感 第8回

 「今日のシインは私の役としてかなり重要なところで非常に心理的な動きをこまやかに表情に表せねばいけないのである。私は三日前からここの塲面のために一人で色々工夫もしたし考へもしてみた。鏡に自分の表情を寫して見ても、どうもうまくいかない。どうしやう!くさるときがあった…いよいよ気分が緊張してカメラの前に立つ。…この場面になると私はいつの間にか芬玉の立場にすッかりなりきってしまって悔しさと悲しさに涙がぼろぼろ流れる…」 これは日本統治下朝鮮のスター女優・文藝峰が『志願兵』(公開:1941、製作:1939~40、発掘:2004)を撮影する際、残した日記である。
朝鮮で大人気を博した新派劇の影響によって、女優の演技は誇張された表現が一般的であり、当時文藝峰は批評家から「表情がない」と表現の欠如を批判されていた。この映画を撮影する時も、それを意識した文藝峰は、表現方法に悩み、心を砕いていた。
実際の映像からその場面を確認してみると、文藝峰は無表情に近い寂しさが漂う顔つきで、上を見つめては目を閉じ、涙を流すだけである。このような抑制された文藝峰の演技は、いかなる表情よりも、スクリーン上に上手く活かされ、現在見てもぎこちなさなど感じさせない。  
そして、文藝峰が自ら劇中人物になりきったと述べているシーンは、田舎の娘の芬玉が婚約者の春浩と都会女性との関係を疑い苦しむところである。その誤解は解かれ、春浩と芬玉は再会する。しかし、その時、朝鮮にも志願兵制度が生まれ、春浩は芬玉に促されて志願兵に応募する。まさに芬玉という人物は、戦時下宣伝映画の中、典型的な「銃後婦人」であった。1938年2月、「陸軍特別志願兵制度」公布後に製作されたこの映画は、戦争イデオロギーの跋扈という背景もあり、女優の役割は積極的なものとなった。
ところで、文藝峰が出演した戦時下映画で目立つのは、多く登場する彼女のクローズアップである。民族の女優と評された文藝峰のスター・イメージを映画の中で強調し、宣伝性を高めようとするためだった。『志願兵』にもそのようなクローズアップが登場する。映画の後半、戦争のラッパの音や軍歌が鳴り響き、日の丸がはためく、祭りのような喧噪の中、春浩は周りの歓呼の声に送られて出征する。春浩を見送った芬玉は、軍用列車が去った線路を見つめる。ここで映画は終わるが、映画のエンディングの直前に登場する6・33秒ほど長く映されたヒロインの顔は、強烈な印象を与える。文藝峰は曖昧な微笑を浮かべるのである。はっきり笑わない。はっきり泣かない。その曖昧な微笑とは、代表的な朝鮮女優の立場から発せられた、笑うこともできない、泣くこともできないものの表現ではないだろうか。勿論、それは監督が決めることではあるが、文藝峰の残した日記の最後のところ、「悲しい秋の午後の日である」という言葉からみると、志願兵の春浩を見送った芬玉の悲しい気持ちだったかもしれない。

李瑛恩(芸名イ・アイ)
 韓国の女優。日本大学芸術学部で、学士、修士、博士の学位を取得。主演作として『大韓民国1%』『ダイナマイト・ファミリー』などがある。

2021-03-03 6面
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