トランプ前米大統領は2月28日、フロリダ州オーランドで開催されたイベント「保守政治活動会議(CPAC)」で大統領退任後、初となる演説を行った▼演説では、2022年に予定されている中間選挙での共和党の主導権奪還に向け意欲を示し、「われわれは勝利し、米国はかつてないほど強く偉大な国になるだろう」と語った。さらに「私自身が3度目の民主党打倒を決意するかもしれない」と述べ、24年の大統領選挙への出馬をほのめかせた▼前米国大統領選挙では数々の不正疑惑が提起され、米国では分断が深刻化した。その真偽はともかく、不正に対する検証がまったく行われなかった▼選挙の混乱といえば、韓国も同様だ。昨年4月の国会議員選挙で大がかりな不正があったと各方面から指摘があがった。選挙で敗れた側が勝者の不正を提起するのは珍しいことではないが、頭から否定できない証拠や不自然な票の増減があったのも事実である。韓国でも米国同様、選挙不正に対する検証がいまだに行われていない▼韓国では4月7日にソウル市長、釜山市長の補欠選挙がある。もう1カ月ほど先のことだ。来年の大統領選挙を占うものとなるだろう。大統領再選禁止の韓国では、5年の任期の最終年は政権がレームダック化しやすい▼文政権はあらゆる手段を講じて、保守勢力への政権移行を阻止するだろう。しかし当然ながら、虚偽と不正があってはいけない。虚偽と不正はあらゆる手段に含まれるものではなく、けっして許すべきものではない。 |