東アジアの中で政治の中心地として発展した漢陽(漢城・現在のソウル)と江戸東京の生活文化を比較し、韓日の相互理解を深めようというシンポジウムが20日、オンライン形式で行われ100人ほどが参加した。主催は江戸東京研究センターと国際日本学研究所(法政大学)。
第1回となる今回は、朝鮮王朝時代後期の学者である柳得恭(1749~1807)が著した歳時記『京都雑誌』の「風俗編」をもとにまとめられた秦京煥『朝鮮の雑誌―18~19世紀ソウル両班の趣向』(素々の本2018年)から、芸能、市場、園芸、花見を取り上げて、当時の人々の日々の暮らしを比較する試みだ。
法政大学の小林ふみ子教授の司会により、『18世紀の江戸と漢陽における舞台芸能の諸要素』(共立女子大学・土田牧子)、『18―19世紀の漢陽と江戸の市場、その中を覗いてみる』(韓国国立芸術総合学校・金美眞)、『園芸文化で比較する漢陽と江戸』(江戸東京博物館・市川寛明)、『江戸、漢陽にみる花見と遊山』(檀国大学校・鄭敬珍)の順に発表が行われ、最後に総合討論として、茨城キリスト教大学の染谷智幸教授と、法政大学の田中優子総長が登壇した。
オンラインでの開催は、講師と聞き手との距離が近しいものに感じられる雰囲気で、質問の内容などから参加者が熱心に聞いている様子が伝わってきた。 |