韓国でも、武漢コロナウイルスの変異株が非常事態をもたらしている。国内で現在までに確認された変異ウイルスの流入国家は21カ国に及び、変異ウイルスがコロナ感染再拡大の伏兵とも指摘されている。
これに伴い、政府は今月24日から、海外から入国する全ての人に対してPCR検査の陰性証明書の提出義務化を決めた。10日、疾病管理庁中央防疫対策本部によると、変異ウイルスが地域社会に拡散された事例が多数確認されており、国内で確認された変異ウイルス感染者数は80人に達していることを明らかにした。内訳は、入国時に感染が確認された人が44人、隔離中が22人、入国後に地域社会に拡大させた人が14人だ。
21カ国の変異ウイルス流入国は、英国、南アフリカに加え、ハンガリー、UAE、ブラジル、タンザニア、ポーランド、ガーナ、ナイジェリア、ノルウェー、マラウイ、モルディブ、米国、サウジアラビア、スロバキア、イラク、中国、ジンバブエ、カナダ、パキスタン、フランスの各国だ。
海外からの入国者に向けて24日から実施されるPCR検査は大幅に強化される。まず3回の検査で陰性が立証されることが前提で、その証明書の提出が義務となる。今後は海外から入国する全ての者(韓国国籍者含む)がPCRの陰性証明書を提出することになった。
また防疫当局は、地域社会での感染拡大を防止するため、市・郡・区別で「海外入国者管理責任官」を指定・運営する。彼らは隔離者に対して1日2回以上のモニタリングを行い、変異ウイルスの感染管理のために全ての海外流入感染者を個室に隔離する計画だ。
一方、食品医薬品安全処は、英国「アストラゼネカ社」のコロナウイルスワクチンを正式に認可した。食品医薬品安全処は、アストラゼネカ社のワクチンが満65歳以上の高齢者に対する治験結果が少ないことを懸念し、追加で治験結果を提出することを条件に使用許可を決定した。
アストラゼネカ社のワクチンによる予防効果は62%で、英国治験2・3相、ブラジル治験3相のデータ分析結果だ。国内に供給されるワクチンは、韓国企業SKバイオサイエンスが委託・製造する。アストラゼネカ社のワクチンは、一部欧州国家が高齢者への接種を控えるよう求めている。
スイスでは、治験結果を追加で確認する必要があるとして、アストラゼネカ社のワクチンに対する全年齢層への接種承認を保留した。 |