大韓民国の国民と国家体制に対してテロを恣行する文在寅政権が、韓国の法治の根幹を破壊している。文在寅政権は公捜處設置にとどまらず、検察庁から捜査権を剥奪して起訴権だけを残し、事実上検察を解体する「重大犯罪捜査庁」を新設するとの主張をはじめた。彼らは検察に集中した力を分散せねばならないという名分を掲げるが、文在寅政権の巨大権力犯罪に対する検察の捜査を妨害し、社会主義全体主義体制の永続化に対する国民的抵抗を無力化し、自由民主体制を崩すための陰謀といえる。彼らの論理どおりなら、大統領と青瓦台の権力を超え、現行憲法では牽制装置のない国会と、国会を利用して多数決独裁をしている与党・共に民主党を牽制することこそ急務だ。
国会の多数決は、はたして正義なのか
文在寅政権が法務部の傘下に設置を推進する「重大犯罪捜査庁」(重捜庁)は、一般的な犯罪の捜査権を警察に渡し、検察が担当することにしたと言った「6大重大犯罪」(腐敗、経済、公職者、選挙、防衛事業、大型惨事)の捜査権も重大犯罪捜査庁に移管、検察は起訴権だけを持つ起訴庁にするということだ。
これを主導する黄雲夏、崔康旭、曺国(元法務部長官)など、文在寅政権の極左確信犯たちは、彼ら自身が検察の捜査を受けている被疑者か、甚だしくは起訴されたものであることだ。盗賊が警察と検察、裁判所を解体しろと主張するも同様である。
共に民主党の検察改革特別委員会は、今月内に関連法案を国会で発議し、今年上半期に処理するという構想だという。検察の捜査権と起訴権の完全分離は、政府組織と法治の伝統と根幹を根底から崩す革命的な考えだ。
文在寅の蔚山市長不正選挙に直接関与し、現行法律に違反して出馬して、国会議員になった黄雲夏は、すでに先週の8日、検察に残った6大犯罪に対する直接捜査権を重捜庁に完全移管し、検察は起訴と公訴維持の業務に集中できるようにする内容の「重大犯罪捜査庁設置及び運営に関する法律」(重捜庁法)制定案を発議した。
重捜庁法は、庁長の任命手順と任期などは公捜處長の場合を準用するようにし、捜査官は、刑事訴訟法上の司法警察官の職務を遂行するようにしたものだ。また、重捜庁所属で、地方重大犯罪捜査庁を設置する内容なども盛り込んだ。
共に民主党側は、このような重捜庁設置を通じての検察の1次的捜査権の廃止だけでなく、さらに進んで公訴維持次元の補完捜査権まで制限する案も検討しているそうだ。さらに重捜庁の捜査官が犯罪や不正なのを犯したとき、それに対する捜査を警察と公捜處のどちらが担当するかなども検討しているという。
 | 次期大統領有力候補の李在明京畿道知事が中国メディアで春節の挨拶をした | しかし、重捜庁職員の犯罪と不正が発生したら、これをどの機関がどう処理すべきかを検討するということ自体が、検察庁を解体し、新しい捜査機関を作るべきだという論理が、どれほどずさんで誤ったものなのかを物語る。国家機関とその構成員は、最小限の規模にとどまり、その構成員の教育・訓練と組織運営を円滑にすることが根本であって、政治的動機(必要)によって限りなく組織を拡大してはならないというのが、現代文明社会の基本だ。
文在寅政権の全体主義独裁体制を防ぐためには、牽制装置のない国会権力の改革、牽制策が急務だ。
このように国民と国家へのテロを断行している文在寅政権は、対外関係でも自由民主陣営を無視、社会主義独裁体制への事大的姿勢を露骨化している。先月、習近平に中共党100周年を祝賀した文在寅は、旧正月を迎え、韓国語、中国語、ベトナム語、英語で挨拶をしたと発表した。旧正月を祝う国々はすべて社会主義国家である。文在寅が韓国語で旧正月の挨拶をしたのは、平壌の金正恩体制に向けてのものだといえる。
中共は、2013年から東経124度を韓・中間の西海の境界線だと一方的に主張している。西海全体を彼らの内海化(西海工程)しようとしている。中国の海洋警察が2月1日から武器の使用を公式化し、尖閣諸島で武器の使用を脅かしている。文在寅は、日本にはGSOMIA破棄で脅しをかけつつ、中共の脅威に対しては沈黙している。
さらに韓米連合訓練を回避し、3月に予定されている韓米連合訓練に対して、平壌側と相談すると言い、国内外を驚愕させた。文在寅は盧武鉉政権が国連北韓人権問題表決のとき、平壌に訊いてみようと言った張本人だ。
この文在寅を真似し、朴炳錫国会議長、丁世均国務総理、そして左翼陣営で次期大統領有力候補として言われる李在明京畿道知事も中国メディアを通じて中国語で旧正月の挨拶を送った。まことに情けない親中事大主義だ。李在明は、選挙を控え、税金で自営業者の損失補償を主張する与党の要求に反対する企画財政部に対し、「大統領の指示に無限忠誠せよ」と言った。万が一、李在明が権力を握るようになればどれだけ極左ポピュリズムへ走るだろうかが分かる。
一方、金命洙大法院長が、国際人権法研究会(わが法研究会の後身)出身の左翼判事を中心にした裁判官人事を断行したため、韓国ではもはや裁判の公正さと迅速さは期待しにくくなった。元大韓弁護士協会会長など法曹界の猛烈な批判にもかかわらず、司法を革命の道具としか思わない鉄面皮の金命洙は辞任する考えは微塵もないようだ。 |