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最終更新日: 2021-02-22 14:34:02
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2021年02月03日 00:00
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◆ドラマと文学で探る韓国 「不安を力に変えるもの」③
ドラマ「愛の不時着」×小説「驟雨」

『愛の不時着』のセリ©2021 Netflix,Inc.
 いよいよ今回は『愛の不時着』×『驟雨』最終回ということで、両作品のロマンスにテーマを絞って考察してみよう。

◆駆け引きのない愛

前回、『愛の不時着』のセリ、『驟雨』のスンジェともに人の心をつかむ術に長けていると述べた。周囲の人々をいつしか虜にしてしまう、駆け引きの上手さこそが、緊迫した状況からの脱出に大いに役立ったのである。
ところが、2人のヒロインはことロマンスに限っては、揃いも揃って駆け引きなしの真っ向勝負に出るのである。どうやらそこには、やはり駆け引きなどとは無縁の相手役が関係しているようだ。駆け引き上手なヒロインたちに本音でぶつかる純情な男たちの存在が、両作品をドラマチックに盛り上げていく。
『愛の不時着』で、韓国からやって来たセリの正体を怪しむ人々を前に、彼女をかくまうジョンヒョクは咄嗟に婚約者だと嘘をついてしまう。ドラマ序盤での出来事だ。切迫した状況下で飛び出したこのセリフに、セリ同様、視聴者の鼓動も一気に高まる。
一方、『驟雨』の永植もまた、人民軍の占領下、戸口調査にやって来た町内の班長に、スンジェを妻だと告げる。戦時のどさくさで名簿が霧散したからこその方便だったが、胡散臭そうに睨みつける連中を前に、スンジェは鳥肌が立つほど緊張する。その緊張は読者をも大いに不安にするのである。

◆あなたを守りたい

自分を真正面から守ろうとする男を前に、ヒロインも捨て身の覚悟で臨む。義勇軍として引っ張られそうになる永植に、スンジェは男が捕まるくらいなら自分はどうなってもいい、と全力で彼を守ろうとするのである。
『愛の不時着』も決死のシーンが続く。北からの脱出直前、銃撃されたセリをかばって撃たれたジョンヒョク。脱出を諦めたセリは、責めるジョンヒョクに、あなたを守ってあげたかったと告げる。
駆け引きなしに守られ、駆け引きなしに守る。これがヒロインと男たちの愛のかたちである。命がけで守ってきた真っすぐな愛は、視聴者や読者の心をも、ぎりぎりまで追い詰めていく。両作品の主人公たちは不安のなかで、鮮血のようにほとばしる愛を一気に相手にぶつける。その強さ、激しさこそが力となっていくのである。
「帰りたくない。君とここにいたい」。これは『愛の不時着』でジョンヒョクがセリに明かす胸の内だ。ソウルにやって来て襲われたジョンヒョクを気遣うセリに、白髪が生えて老いてゆく姿を見てみたい、と告げるシーンはそれが叶わないと知っているだけに、視聴者の胸を締め付ける。
一人で頑張りすぎたために疲れが出たのか、病の床についたスンジェは見舞う永植に思わず「行かないで!」と懇願する。永植もまた「帰れと言われても帰らない」と囁く。2人の想いが一気に読者の胸に迫り、がっちりと捉えて離さない。
この後、不安を力に変えてきた両作品のロマンスは余韻を残しながら結末へと向かう。収束に向かうかに見えたコロナは年を越して、さらに予断を許さない状況に陥っている。この不安な状況を力に変える愛に、今を生きる私たちも出会えるだろうか。

 青嶋昌子 ライター、翻訳家。著書に『永遠の春のワルツ』(TOKIMEKIパブリッシング)。翻訳書に『師任堂のすべて』(キネマ旬報社)ほか。

2021-02-03 6面
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