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最終更新日: 2021-04-14 00:00:00
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2021年01月27日 00:00
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キスン便り(第32回) 韓国と日本の相違17 賄賂のない世界 

 私が韓国で暮らしていたのは、今から26年も前のことです。その当時の韓国は賄賂国家でした。今は違うだろうと思っています。しかし、もし今もその傾向があるとするなら、当時、私が感じたことは参考になるのではないかと思います。
会計士の中に、「私はエリートだ」と豪語する者がいました。理由を尋ねると、「韓国で賄賂を貰わず、渡しもせずに普通に生きていけるのはエリートだ」と言うのです。思わず頷いてしまいました。
私は汚い言葉やスラングを学ぶために、漫画を利用していました。あるとき読んでいた漫画にこういう場面が出て来ました。小学生の金持ちの子と、貧乏人の子とが学級委員に立候補しました。貧乏人の子は一人で下校途中に溜息をつきながら考えます。「私を応援してくれる子供たちにチャジャン麺の一杯でもおごってあげなければならないのに、そのお金がない」
私は思わず、おいおい、それは賄賂だぞ、と突っ込みました。そして韓国の子は、日本的感覚では賄賂となることを単なる挨拶として行っていることを知りました。このとき私は、俺は韓国では生きていけない、と悟りました。いつ誰に幾ら渡すかという「正しい賄賂の渡し方」を知らないからです。
中には韓国人でも賄賂の渡し方を知らない人が居ます。高校を出て働きながら夜間大学に行って会計士になった人が居ました。この人はデモをした経歴が警察に残っていました。デモの理由は反社会的なものではありません。誰でも頷く当然のものでした。彼は会計士試験のあと一年勉強して国家公務員の上級職に合格しました。任官されるにはデモの記録の抹消が必要です。自分を聴取した刑事に連絡を取り、頼みましたが、取り下げてくれませんでした。彼は国のために働く道を閉ざされたので、やむなく会計士になりました。その後、彼は私に言いました。
「賄賂を渡せば済む話を、私は貧乏人の中で育ったからそういうときには賄賂が必要、ということを知らなかったんだ。それで頼みますばかりを繰り返した。相手の刑事はいくら待っても金が出てこないから呆れただろうね」
日本の会社法では、監査は大会社しか受けませんが、韓国では総資産基準が適用されるので、資本金に関係なく、成長している会社は中小企業でも監査が強制されます。ある中小企業の監査から帰ってきた会計士が、苦笑いしながら私に言いました。
「多額の仮払があるからこれは何だと聞いたら、賄賂を要求されて仕方なく払ったものだと言うんですよ。韓国で生まれて育った人間が賄賂の処理の仕方も知らないなんて、考えられます?」
韓国人なのに賄賂の渡し方や処理の仕方を知らない人間が増えるというのは、良い傾向です。いずれ韓国はいい国になるだろうと期待しました。
賄賂には個人的なものと、組織的なものがありました。個人的なものは世界中どこに行っても賄賂です。組織的なものは、利用者から賄賂を受け取ってプールし、後で皆で分配します。これは給与の不足分を補う役割があり、受益者負担分の徴収ともいえるもので、やり方を少し工夫すれば賄賂には成らないものです。国が修正を命令すれば出来ることだと思いました。
賄賂ではありませんが、在日の親戚を観光案内しているときにタクシーの運転手が値段を吹っかけてきたことがありました。自分でも悪いことだと知っているようでした。私は一言「国の恥をさらしなさんな」と言いました。運転手は俯いたまま、黙って車に戻って走り去りました。軍隊経験がある人には、この一言は利きます。韓国人の多くは生活できるなら賄賂を要求しない人たちだ、と私は思っています。

 李起昇 小説家、公認会計士。著書に、小説『チンダルレ』『鬼神たちの祝祭』、古代史研究書『日本は韓国だったのか』(いずれもフィールドワイ刊)がある。

2021-01-27 5面
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