欠点のない人間などは存在しないが、それでも「なぜいつもこうなのだろう」と自分自身に嫌気がさすこともある。それが度重なると悩みや不安だらけの毎日になってしまう。それは自分を好きになる心、いわゆる「自尊感情」が欠落した状態だという。自己嫌悪に陥るのは、失敗して他人から非難されるなど他者との関わりによる場合がほとんどだ。そのような人間関係は、小学校中学年から顕著になる。本書は、小学生が「自尊感情」を持てるように練習していくためのものだ。欠点を含めたありのままの自分と仲良くすること、前向きな気持ちで困難に立ち向かえるようになること―など32の単元を学んでいく。一つ一つの悩みに「こんなふうに考えてみない?」とヒントが示され、その練習方法が紹介されるという具合だ。
なるほど子供たちにもこのような練習帳が必要だとページをめくっていると、「身近な大人に相談しよう」というアドバイスを目にした。果たして当の大人はどうなのか。本書を子供たちに渡す前に、まずは大人が練習を開始すべきなのかもしれない。
小学館刊
定価=1250円(税別) |

- 2021-01-20 6面

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