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2020年11月26日 00:00
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【映画】『粛清裁判』(オランダ)
スターリン体制のトリックを描く

後の大粛清(テロル)につながる「でっち上げ」裁判が始まった©ATOMS & VOID

 スターリン体制とは、世界史において、何だったのか。ウクライナ出身のセルゲイ・ロズニツァ監督『粛清裁判』(2018)は、その疑問に答える映画だ。スターリン治世下の裁判を描いた恐るべき映画である。
「産業党事件」(1930)が反革命集団として治安当局にでっち上げられた。その事件の被告たちがシナリオに基づいて、やらせの裁判を演じる。その模様がプロパガンダ映画として制作されていた。ここまですら大きな驚きだが、この映像をロシアの映画アルヒーフで発掘したロズニツァ監督は、当時の群衆デモ映像を加えて再編集し新たな映画にしたのだ。
でっち上げ―やらせ―映像化―再編集。この複雑な過程を経て90年前の映像が「スターリン体制告発」の映画として再生したのである。漠然と見ただけでは、この映画の素材が「やらせ裁判」であることには気づかない。「幻影の時代」は多くのプロパガンダ映画を生み出した。『粛清裁判』はその虚実を衝く映画なのである。四方田犬彦氏が映画解説パンフで言うように、映画アーカイブは「歴史の記録」にとって諸刃の剣であるのだ。
この映画を見ながら、私は松本清張のトリックに満ちた小説『北の詩人』(64)を思い出していた。日本統治時代の優れた文芸評論家だった林和が越北後、平壌の裁判所で米帝のスパイとして死刑判決を受ける経緯を、無批判に書いた小説だ。この小説の執筆には、北朝鮮寄りの在日朝鮮人の支援があったと見られる。いわば「北の術策」に乗せられて書いた小説なのだ。
スターリンは朝鮮戦争において最大の演出家だった。金日成に南侵のゴーサインを与えた上で、意図的に作戦を遅延させて米国の「介入」を呼び込み、毛沢東による中国義勇軍の参戦を誘導した張本人である。こういったスターリンと金日成による謀略の全貌が今、100%認知されているわけではない。朝鮮戦争70周年の今年、韓国内で相変わらず「内戦拡大説」がうごめき、中国による「抗米援朝論」が喧伝された事実からも、それは明らかである。
『粛清裁判』と併映の同監督作品『国葬』(2019)は、スターリンの葬儀(1953)を記録したプロパガンダ映画の再編集作品である。葬儀会場は『粛清裁判』と同じモスクワの「ソビエト会館柱の間」だった。スターリン体制の始まりと終焉を記録した映像の舞台が、全く同一場所であったことにも驚かざるを得ない。

(下川正晴 元毎日新聞ソウル支局長)

12月11日(金)まで、シアター・イメージフォーラムで公開中。
公式HP=https://www.sunny-film.com/sergeiloznitsa

2020-11-26 6面
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