台風8号は、韓半島に大きな爪痕を残して去っていった。西海上を通過する、最悪のコースだった。韓国では南部を中心に、建物の損壊や停電などの被害が相次いだ▼台風はその後、北韓の黄海道に上陸した。水害対策が貧弱な北ではあったが、当初予想されたほどの被害は出なかったようだ。一安心といっていい▼しかし、毎年のように繰り返される「異常気象」である。中国では豪雨の影響で三峡ダムの決壊が懸念されている。新たに台風9号が発生、3日未明には釜山に到達すると予測され、影響が懸念される。豪雨・台風被害がこれで収まる保証はない▼政界も嵐に見舞われそうだ。日本では史上最長任期を更新したばかりの安倍晋三首相が辞任の意向を表明した。史上最長の政権終焉の余波は計り知れまい。米中戦争が激化するなか、次の首相が誰になるのか注目が集まる▼一方、米国は11月の大統領選に向け、動きが活発になってきている。トランプ大統領が再選を果たすのか、民主党のバイデン候補がその座を奪うのか、趨勢は未だはっきりしない▼さて、韓国はどうだろう。一時はコロナ対策が奏功して支持率が上昇し、総選挙でも勝利を収めた文在寅政権だが、その後の支持率は40%台と低迷している。残りの任期は2年を切っており、韓国大統領につきものの「レームダック化」もささやかれ始めた▼不正選挙疑惑、違憲となる政治査察機関の設置などで、国民は文政権の正体に気づきはじめた。任期を待たずしての弾劾も現実的なものとなってきた。 |