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最終更新日: 2020-08-10 19:12:58
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2020年01月01日 00:00
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【映画】「無垢なる証人」(韓国)
正義と野心のあいだで揺れる弁護士と自信を持ち変わっていく自閉症の少女

唯一の証人である自閉症の少女ジウと心を通わせ始める弁護士のスノ©2019LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
 このところ悪役づいていた正統派2枚目スターのチョン・ウソンが、久しぶりにそのルックスにふさわしいスポットライトを浴びる役どころへと戻ってきた。ただし、その役とは現実と妥協し、自身の出世に有利な殺人事件の弁護を引き受けること。正義と野心に揺れる、彼が下した決断とは。
小さな弁護士事務所を経営するスノ(チョン・ウソン)に、大手の事務所から殺人事件の主任弁護士の声がかかる。容疑者は無実を主張する一方、検察側は唯一の目撃者とされる少女ジウ(キム・ヒャンギ)を証人として法廷に立たせようとしていた。
少女は自閉症で意思疎通がスムーズにいかないことも予想されており、まずは彼女の信頼を得て自身の側に有利な証言を引き出すことができるかどうかが裁判のポイントとなっていた。そこでスノは事件当日のことを聞き出すためジウに近づくが、彼女は恐怖心を募らせるばかり。最初は失敗続きだったものの、毎日のように接するうちに徐々にジウのことを理解し始める。
初めのうちはスノに不信感を抱いていたジウだが、スノの仕事が弁護士であり、これから立ち向かわなければならない裁判の意味を理解する。そして自ら証人になって真実を伝えたいという思いを募らせていくのだった。
記憶力に優れたジウが自閉症への偏見に身をさらしつつ証人として法廷に立ち、自信を持ち変わっていく姿が素晴らしい。演じたキム・ヒャンギといえば『神と共に』で冥界の使者を演じ、そのピュアな魅力で一気にスターダムに躍り出たのが記憶に新しい。本作でさらに繊細な演技力を見せていて、今後が楽しみな女優だ。
また『私の頭の中の消しゴム』『アシュラ』のチョン・ウソンが、正義と野心の間で揺れ動く人間ならではの喜怒哀楽に富む弁護士スノを演じる。裁判の進め方に悩むスノが、父から送られた手紙を読み、弁護士を志した少年時代の夢を思い出す姿も印象的だ。俗物のままで終わっていいのか、それとも……と苦悩する姿はベテラン俳優ならではの説得力に満ちている。
本作品は局面がドラスチックに変わる法廷ドラマである一方、登場人物の葛藤が浮かび上がるヒューマンドラマでもあり、その両方をバランスよく楽しめるようになっている。「第5回ロッテシナリオ公募展」で大賞となったシナリオを『戦場のメロディ』のイ・ハン監督が映画化した。

(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)

公開=1月24日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて。
公式HP=http://klockworx-asia.com/innocent/

2020-01-01 16面
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