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最終更新日: 2020-01-16 00:00:00
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2020年01月01日 00:00
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東京測地系→世界測地系 韓国製造業の未来図
規制緩和と人材育成がカギ

 韓国経済は2000年代に輸出に支えられて年平均4・4%の成長を記録したが、10年代に入ると成長率が2~3%台へ低下し、19年は2%に達しない可能性もある。
経済の成熟化と高齢化の進展を別にすれば、成長率の低下は主に、チャイナショック(新常態への移行、国産化、米中貿易摩擦など)と文在寅政権の経済政策によるものである。
低成長が続くなかで、際立つのが製造業の不振である。特に18年秋口以降、それまで好調だった半導体の輸出が急減したため、停滞感が強まった。製造業は2000年代に年平均6・4%成長したが、10年代は2・8%へ低下している。韓国政府はかなり以前からサービス産業の強化を図っているが、製造業の不振をカバーできていない。
製造業の不振を象徴するのが自動車である。自動車の生産台数は11年の466万台から、18年は403万台へ減少した。国内販売が伸び悩むとともに、輸出がこの間に70万台減少したことによる。輸出減少の要因には、(1)海外生産の増加(2)コストパフォーマンスの低下(3)外資系企業による生産体制の見直しなどがある。韓国GMは18年5月に群山工場を閉鎖した。これはGM本体のリストラの一環であるが、労組のストライキや低生産性、高賃金なども影響した。
製造業の不振が続く状況下、文在寅大統領は19年6月、京畿道の安山市で開かれた「製造業ルネッサンスビジョン宣布式」で、製造業全体を強化していくことを表明した。
大統領は演説のなかで、「製造業はわが経済の根幹である」と述べた。製造業はGDPの約3割を占め、輸出額の90%を担い、450万の良質な雇用を創出しており、研究開発費の80%以上が製造業であるという数字を示して、製造業は成長のエンジンであり、雇用創出と革新の源泉であるとして、その役割を再評価した。
その一方、第4次産業革命や新興製造強国の台頭など、製造業を取り巻く環境が変化するなかで、韓国ではメモリ半導体に続く新産業が育っていない、この10年間の主力10大産業が変化していないことに言及し、従来のキャッチアップ型から革新先導型への転換が喫緊の課題になっていると指摘した。
中国では製造業2025、ドイツではインダストリー4・0などを通じて強化が図られているように、韓国では「製造業ルネッサンスビジョンと戦略」を通じて製造業の強化を図る方針を示した。
めざす目標として、30年までに世界4大製造強国になる、製造業の付加価値率を現在の25%から30%以上に、新産業・新品目の割合を16%から30%に引き上げることなどが掲げられた。ちなみに、新産業として成長が期待されているのは、OLED・次世代ディスプレイ、システム半導体、バイオヘルスなどがある。この実現のために、「スマート化・親環境化・融合化による製造業の革新加速」「未来に向けた新産業育成と既存主力産業の高付加価値化」「産業エコシステム全般の革新」「国内投資に対する支援の強化」などを推進する。
製造業の役割を再評価する一方、中国の急速な追い上げや韓国の革新の停滞などに対して厳しい認識をもったことは評価できるが、製造業の革新が進むためには、取り組まなければならない課題がある。
一つは、規制緩和である。製造業の革新には規制緩和が必要であるが、労働組合や業界団体の反対でなかなか進んでいない。二つ目は、産業の革新を担う人材の育成である。韓国の教育は既存知識の吸収に重点が置かれており、企業の研究開発も基礎研究ではなく、実用研究に集中している。創造的人材の育成と研究開発力の向上は、今後の課題となる。
文政権には今後、製造業の再生につながる実効性のある取り組みが求められている。
(日本総合研究所 向山英彦)

2020-01-01 10面
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