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2019年12月04日 15:44
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文政権の北韓漁民追放は違法
人権団体が批判 数々の疑惑も

 文在寅政府が北韓の漁民2人を強制追放した事件に対し、韓国の対北人権団体が11月7日、団体の北韓人権データベース(DB)に「韓国が行った初の北韓人権侵害事例」として記録することを明らかにした。
ユン・ヨサン(社)北韓人権情報センター所長は28日、国会で開かれた関連セミナーで「北韓の漁民強制追放は、北韓人権情報センターが蓄積してきた約12万件の北韓人権侵害事件及び記録の中で、韓国政府と国家機関の担当者が加害者として記録される初のケースとなる」と明らかにした。
ユン所長は「追放した北韓船員に対する処分決定の過程は、法治的ではなく政治的決定だった。今回の追放は、『憲法』はもちろん『北韓離脱住民保護及び定着支援に関する法律(北韓離脱住民法)』、最高裁判所の判例などの全ての法制度に反する違法行為だ。韓国の法律は、彼らの送還を認めるためのいかなる規定もない」と主張した。これに伴い、国会国政監査で原因及び責任の所在、公務員の違法性を究明できるかという点に注目が集まっている。
文政権は最近、国連(UN)の対北人権決議共同提案国への参加を11年ぶりに見送るなど、北韓人権問題をスルーしていると批判されている。
統一部はこれに先立つ7日のブリーフィングで(1)殺人など、重大な非政治的犯罪者であるため非保護対象(2)我々の(韓国)社会に編入した場合、国民の生命と安全を脅かすという懸念(3)凶悪犯罪者は国際法上、難民として認められないなどの理由を挙げ、北韓住民2人を北韓へ送還したと明かした。
北韓離脱住民法(第9条)では、テロ、国際刑事犯罪者、殺人などの重大犯罪者は保護対象から除外できると規定している。この場合でも、政府から脱北者としての生活定着支援が受けられないことに加え、国内での居住そのものを制限する規定はない。一方、追放した脱北者2人をめぐる政府の説明と対応については理解不可能な疑惑が渦巻いている。
まず、漁民2人の南下を事前に軍が把握していた、という説だ。鄭景斗国防長官は11月7日の国会で、犯罪被疑者らが漁船に乗って南下することを知っていたという趣旨の発言をした。2人の南下に備えて東海の海上警戒を強化したというが、どのように情報を収集し、そして収集した情報はどのような内容だったのかは不明のままだ。
また、北の漁船に対して2日間の追撃戦があったとする軍の主張も理解しがたい。最新鋭の海軍艦艇が、進行速度の遅い古びた北韓の木造船を追撃したということ自体が理にかなっていないからだ。この点についても検証の必要がある。
二つめは、大韓民国への亡命の意思を示した漁民2人に対する審議だ。金錬鉄・統一部長官は11月8日、国会に出席し「北韓の漁民2人が合同尋問の過程で『死んでも(北韓に)帰ると語った』と述べた」と証言した。
亡命の意思はなかったというのだ。金長官は同月20日の訪米中にも「国際法上の難民規約、国内法の難民法に照らし合わせた場合、非政治的殺人犯は保護対象ではないと把握している」と語った。しかし「死んでも帰る」という漁民の発言は、漁を終えて北に帰港する中で話していた、と漁民らが陳述したという説がある。
三つめは、脱北者たちは本当に殺人事件を起こした凶悪犯なのか、という点だ。脱北者のチョン・ソンサン氏は、北韓内部にいる知人とのSNSトーク内容を公開し「彼らは22~23歳で栄養失調状態にあり、軍への入隊もできなかった」と主張した。北韓の金策港で逮捕された男こそが真犯人だという内容だ。
また、別の脱北者であるチェ・ジョンフン北韓人民解放戦線代表は「小さな漁船の中で3人(北が逮捕した者を含む)が16人を殺害することは可能だろうか。そんなに多くの人が乗船していたというのも信じがたい」と語った。即ち、北韓が捏造した話に韓国当局が乗せられた、という主張だ。
疑惑はまだ尽きない。国家情報院が、殺傷行為が行われた犯罪の証拠となる漁船を消毒した上、当該漁船を北へと送り返したことだ。犯罪捜査では世界レベルに達する韓国の機関が、決定的な物的証拠を確保しながら自ら究明を放棄したことになる。
こうした数々の疑惑を解く方法は意外にも簡単だ。脱北者の尋問映像と採証記録を公開すれば、疑問に終止符を打つことができる。
各国際人権団体は、「文政権は、北韓漁民の強制送還の過程で国際法と国内法に違反した」と批判している。米国人権団体北韓人権委員会(HRNK)は「1953年の停戦協定以後、韓国政府が脱北者の意に反して北送した初の事例」との声明を発表した。 
米国のヒューマンライツウオッチは13日付の声明で、「『拷問から世界の全ての人を保護する』という国際法に韓国政府が違反し、北韓で2人を危険に晒す状況を作った」と述べた。
(ソウル=李民晧)

2019-12-04 3面
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