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2019年11月27日 00:00
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【映画】「エクストリーム・ジョブ」(韓国)
麻薬捜査のためチキン店をオープンするが…
個性豊かなチーム©2019CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED
韓国で1600万人の観客を動員し歴代興行収入ナンバーワンを達成した、ちょっと気になる作品。刑事ものの作品は韓国でも毎年のように制作されているが、解散寸前に追い込まれた麻薬捜査班が国際密輸組織のアジトを監視するため、真向かいにフライドチキンの店を偽装営業するというアイデアが異例のヒットにつながったようだ。
やる気は十分なのに、それが空回りして捜査の進展に繋がらないコ班長ら麻薬班の5人。警察の上層部からチーム解散の方針をちらつかされ、危機感を募らせる。悔しい思いを胸に24時間監視のため密売組織のアジトが見通せるチキン店をコ班長が退職金をはたいて買い取り、レストランを新装開店させる。ところが世の中は想定通りには動かないもの。マ刑事の試作した秘伝のたれを使う「水原カルビ味チキン」が大評判となり、行列ができるほど繁盛。アジトに怪しい男が出入りしても多忙で追跡できないというジレンマに陥ってしまう。やがて自分は刑事なのかそれともチキン店のスタッフなのかと思い悩むようになり……。
監督はコメディで定評のあるイ・ビョンホン。韓国ではジャージャー麺と並んで国民食と呼ばれるほど親しまれているフライドチキンに着目した。仕事のためとはいえ、慣れない業務に全力を傾けざるを得ないチームの面々への感情移入もチキンが運ばれるたびに強まっていく。チキン店が繁盛する状況は、投資額を回収したいコ班長には好都合といえるものの、組織の壊滅という本来の目的からは遠ざかってしまう。この「ズレ」を意識的に使うのがイ・ビョンホン監督の手法かもしれない。
キャスティングにもそれがうかがえる。班長を演じるリュ・スンリョンはこれまで『王になった男』などでマッチョだったり生真面目な役回りが多かったが、今作ではコメディアンぶりをタップリと披露。また『守護教師』で強面の暴力団員に扮したチン・ソンギュは「絶対味覚」の持ち主として偽装チキン店の厨房長を任されたマ刑事をコミカルに演じている。これまでのイメージと少しずらした役どころにしたことが、それぞれ成功している。
このズレは脚本にもある。この物語ではありそうもない激しい恋が燃え上がる決定的なシーンをお見逃しなく。そして場面が変わるごとに繰り出される毒のある笑いやウイットに飛んだセリフをお楽しみいただきたい。
ベテランのシン・ハギュンが存在感ある演技で元気なところを見せている。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)
公開=2020年1月3日(金)より全国ロードショー。
公式HP=http://klockworx-asia.com/extremejob/
2019-11-27 6面