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2019年09月26日 00:00
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【映画】「国家が破産する日」(韓国)
通貨危機の裏側で起きていた人間模様

危機に立ち向かうチーム©2018 ZIP CINEMA, CJ ENM CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
 1997年に韓国で起こった通貨危機(IMF経済危機)の裏側を描き、史実に基づいた社会派ドラマ。
経済が右肩上がりの成長を遂げ、好景気が続くと国民の大多数が信じて疑わなかった97年。韓国銀行の通貨政策チーム長、ハン・シヒョンは通貨危機を予測。しかし、彼女の報告書を踏まえ、政府がようやく非公開の対策チームを招集したときには、国家破産まで残された時間は7日間しかなかった。シヒョンは事実を国民に知らせるべきと主張するが、「知らせるべきではない」という財務次官と激しく対立する。
同じ頃、危機の兆候を独自にキャッチした金融コンサルタントのユン・ジョンハクは、人生を変えるチャンスと見て、一世一代の大勝負に出る。一方、経済情勢に疎い町工場の経営者ガプスは、大手百貨店からの大量発注を手形決済という条件で受けてしまう。自国通貨の価値が加速度的に下落する中、彼ら、そして国家は生き残ることが出来るのか―。
キャストは国民側に立って孤軍奮闘、IMF専務理事とも渡り合うハン・シヒョン役に、『10人の泥棒たち』のキム・ヘス。危機を機会と捉え、自分の信念に沿った投資に賭ける青年ユン・ジョンハク役に、『ベテラン』のユ・アイン。工場と家族を守ろうとするガプス役に、『人狼』のホ・ジュノ。シヒョンと対立する財政局次官役に、『王宮の悪鬼』のチョ・ウジン。IMF専務理事役には、国際的に活躍するフランスの俳優で、韓国映画初出演のヴァンサン・カッセル。落ち着いたトーンの作風に沿った、キャスト陣の抑えた演技が効いている。監督は『パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン』で長編デビューし、本作が長編2作目となるチェ・グクヒ。
本作『国家が破産する日』は、危機に対処する人々の姿を描いている。作中で国家破産という深刻なできごとを淡々と控えめに描き、追い詰められた人々の動向がかえって真に迫り、観ている者の胸を打つ。それはひとえに、実力派ぞろいのキャスト陣の演技力と、彼らをまとめ上げた監督の手腕といったところだろう。テーマ的にはパニックムービーとして激しく描くことも可能であるのに、そうでないところが新鮮だ。そして、映画では「危機は巡り巡って繰り返すものだ」と告げているが、それは韓国だけのことではない。

(宋 莉淑 ソン・リスク/文筆家)

公開=11月8日(金)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー
公式HP=http://kokka-hasan.com/

2019-09-26 6面
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