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2019年09月26日 00:00
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ソウルで起きた脱北親子の餓死事件
政府の不誠実な対応に憤りの声

 脱北者ハン・ソンオク氏(42)と、ハン氏の息子キム・ドンジンくん(6)親子の市民哀悼葬儀が21日、ソウル・光化門の教保文庫前で行われた。およそ200人が見守った。親子は命がけで脱北して韓国に来たが今年7月末、餓死した状態で発見された。政府と、親子が居住していたソウル市の不誠実な対応に、怒りの声が高まっている。(ソウル=李民晧)

10大経済大国で起きた餓死事件

21日に光化門で開かれた餓死した脱北親子の市民葬(写真=連合ニュース)
 1人当たりの国民所得が3万ドルに達する大韓民国、それも首都ソウルで起きた脱北親子の餓死事件は信じがたいものだった。社会の各界から「なぜ餓死にまで至ったのか」との怒りの声が噴出している。しかも、今回の悲劇は「包容的福祉」を公約に掲げた文在寅政権下で起きたのだからなおさらだ。
ハン氏親子の遺体が発見されたのは今年7月31日、冠岳区のある賃貸マンションだった。遺体の状態から、死後2カ月が経過したものと推定された。警察は捜査当初、他殺や自殺の痕跡がなく、自宅には食べ物が全く残っていない状態だったことから、死因は餓死と判断していた。
金正恩政権下における空腹と暴政から脱するためにやってきた韓国の地で、政府と近隣の無関心によって放置され、命を失った悲劇。衝撃的な事件だった。やがて社会に波紋が広がると、政府は9月2日、23の関係機関及び地方自治体が参加する統一部次官主催の「北韓離脱住民対策協議会全体会議」を開き、脱北者の全世帯に対して聞き取り調査を行うことを決定した。
しかし、波紋は広がる一方だった。国立科学捜査研究院(国科捜)が息子の死因を「不明」と発表したのだ。これに対し、脱北者団体で構成された対策委員会は「死因を明確にすべき」と反発した。世界トップレベルとして知られる国科捜で、死因を明らかにできないということ自体が「嘘」だとの主張だ。
死亡したハン氏の体内からは飲食物が何も検出されなかった。よって、餓死という判断に異議を唱える方が難しい。しかし、国科捜は判断を避けた。脱北者らはこれに対し、北韓を意識した文政権によるご機嫌取りではないかという疑念を抱いている。

連絡が途絶えた脱北者200人

当初からこの事件を追跡取材してきたある欧米系メディアの記者は「ハン氏は冠岳区庁の職員に援助を申請したが却下され、無一文の状態で4カ月間生き延びた。韓国では連絡が途絶えている脱北者が200人を超える」と語った。
ハン氏親子の事件について、狭義では国内に住む脱北者問題ともいえるだろう。しかし同時に、韓国社会全体の問題でもあるのだ。
今回の事件は、長期間水道が止められたハン氏の自宅の状況にマンション管理人が気づき、通報したことで判明した。親子は家賃9万ウォンの賃貸マンションで暮らしていたが、水道料金と家賃を16カ月間にわたり滞納している状態だった。発見当時の家には、コメはおろか口にできるものは何もなく、僅かな唐辛子粉だけが残っていた。
朴槿惠政権末期の2014年2月、ソウル市松坡区で3人の母娘が極度の貧困にあえぎ、一家心中する事件が発生した。すると文政権は大統領選挙の公約として「包容的福祉国家」を発表した。「国民の誰もが人間らしい暮らしの保障を受けられるよう、国家が国民の生涯にわたって暮らしに責任を持つという趣旨」だった。そして導入されたシステムが「福祉デッドゾーンの発掘管理」だった。3カ月以上にわたる家賃の滞納や断水が判明した場合、担当の市職員が該当の家を訪問するよう義務化したものだ。しかしハン氏親子の事件を見る限り、実際はそのシステムがまともに機能していなかったと言わざるを得ない。

現政権の無策・無関心の実情

3万3000人の脱北者たちは危機感をおぼえている。現政権になってから、脱北者を支援する北韓人権団体に支給されていた支援金は途絶え、秋夕や正月などに政府や自治体が後援する脱北者イベントの支援すら打ち切られた。先の秋夕では実際、09年から脱北人権連合が行ってきた「南北が一つとなり」というイベントを10年ぶりに開催することができなかった。陽暦の正月である1月1日と秋夕には、脱北者数百人を集めて共に料理を食べ、特技を披露し、故郷に残された家族に対する想いを分かち合ってきた。しかし連合は今年の秋夕、必要経費2000万ウォンを調達することができず、イベントの開催を断念した。
文政権は、北韓人権団体や脱北者団体による金正恩批判が南北和平ムードを害するとの認識を持ち、脱北者を遠ざけようとしている様子だ。さらに、官庁の管理する脱北者リストが北韓に渡るという事態まで発生した。

懸念される脱北者の孤独死

一方、死亡したハン氏親子が住む自治体、ソウル市(朴元淳市長)の脱北者支援に対する無策ぶりも問題視されている。
ソウル研究院によると、今年6月末時点でソウルに住む脱北者は7083人にのぼり、国内における北韓離脱住民の23・2%を占める。研究院が脱北者を対象に調査した結果、回答者の14・3%が自殺の衝動を覚えたことがあると回答した。
理由としては、経済的困難(34・5%)が最も多く、寂しさ・孤独(28・6%)、身体・精神的疾患及び障害(26・7%)などと続く。また、脱北者の2人に1人(54・8%)は金銭が必要な時に助けてもらえる知人がいないと回答した。
ソウル市は、今年の南北協力基金に329億ウォンを計上している。半面、脱北者支援予算は5億2000万ウォンにすぎず、何年間も凍結された状態だ。 
ソウル市は、中国から飛来する微小粒子(PM2・5)が深刻な日は、地下鉄やバスなどの公共交通機関の利用者に「無料乗車」予算を執行した。昨年1月、わずか3日間の執行額は年間の脱北者支援予算の30倍にあたる150億ウォンだった。
研究調査でも明らかとなったように、こうした政府の無関心と無策が続く場合、ハン氏親子のような脱北者の孤独死が今後も続発しかねないのは明白だ。

2019-09-26 3面
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