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2019年08月01日 00:00
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米国に挑んだ大統領(28)歴史の評価は時間が経ってから
李春根・国家戦略フォーラム研究委員

 遠くの国同士は戦うべき理由があまりない。衝突する利益がさほど多くないからだ。隣国同士が戦争する可能性が高いのは、近くの国々の間で利益が衝突する可能性の方が高いからだ。そのため数千年前の中国の賢人たちは「遠交近攻」という国際政治学の真理を理解していたのだ。近くの国と戦うために遠い国と同盟を結ぶということだ。
現代の国際政治学は、この真理の妥当性を立証している。ジョン・バスケス(John Vasquez)のような著名な学者は『戦争の謎』(The War Puzzle)という本で、「あらゆる戦争の根源に領土紛争がある」と断言する。領土紛争とは主に国境を接する、あるいは非常に近いところの国同士が行うものだ。韓国と日本は独島をめぐって紛争中で、韓国と中国は離於島の領有権を争っている。日本政府の国有化措置(2012年9月)で先鋭化した尖閣諸島をめぐる日中間の領土紛争は、戦争の可能性まで含む深刻なものだ。
このように近隣の国同士は戦うことが多い。このような地政学的な鉄則から、韓国が同盟を結ぶのに最も適した国は米国であるという答えが自ずと出てくる。韓国人は日本が強大だったときは、中国と友好および同盟関係を結んだことがある。中国が強大すぎるなら、安保で日本と連合するのが原則だ。ただ、20世紀初頭の植民統治の経験がまだ鮮明に残っているため、日本との連合に対しては体質的な拒否感があまりにも大きい。この歴史的経験も今、大韓民国が同盟関係を結ぶのに最も良好な国が米国であるという事実を裏付けている。

おわりに

筆者は李承晩の政治を理解するには若すぎた。ところが、朴正熙の在任中は大学生だったので、ほかの大半の大学生と同様に朴正熙の独裁体制を声高に批判した。朴正熙は学生たちのデモを弾圧し、デモが激しい大学は休校令が出されるのが常だった。筆者は大学在学中、紅葉のキャンパスを見たことがない。4年間、秋学期は休校のための講義どころか、学校に出入りすることもできなかったからだ。衛守令、戒厳令、非常措置の連続だった。
朴正熙が死んだ日、筆者は陸軍大尉だった。陸軍第3士官学校で国際政治を講義していた筆者は、1979年10月27日の朝、いつもの制服を着て通勤バスに乗って出勤した。学校の正門に着いたら何が起きたかはわからないが、非常事態になったといわれ、全将校は戦闘服で出勤せよと命じられて宿舎に戻った。急いでラジオをつけた。当時の韓国ニュースは聞くに足りないと思って、筆者はダイヤルを米軍放送(AFKN)に固定していた。英語が上手ではなかったが、朴大統領が暗殺され、米国が北韓に対して軽挙妄動するなと警告している内容だった。私は率直にいって気分がよくなった。
ああ! 独裁者の朴正熙がついに死んだのだ。その夜、同僚の教官らとささやかなパーティーも開いた。葬送行進曲ばかり流れるラジオやテレビを切って、レコードプレーヤーでヘンデルの「王宮の花火」を聴きながら酒を飲んだ。
私はこの分別のなかった時代の行動を反省する。今振り返ると、そのとき私たちは非常に偉そうにふるまっていた。たかが数百冊の本を読んで民主主義と国家に対して全部知っているふりをしていた。将校になる士官候補生に、むしろ読まない方がいいはずの本を勧めたこともあった。彼らに再会できるなら謝罪したい。
歴史は時間が経ってからはじめて評価できるものだ。自分を殺すため送られてきた北韓の特殊部隊と韓国軍が繰り広げる銃撃戦の音が聞こえてくる青瓦台で仕事をした朴正熙と彼の補佐官たちの心情は、どれほどのものだっただろうか。韓国戦争が勃発した日、戦闘機どころか、ただ1両の戦車もなかった大韓民国国軍の最高司令官・李承晩の心情はどうだっただろうか。当時、世界最高だったソ連製T―34が怒涛のごとくソウルに進入する場面を見た大韓民国の政治家たちはどのような心情だっただろうか。
近年、韓国の大統領の中には「いくら悪い平和でも戦争よりはいい」と話す人もいた。(つづく)

2019-08-01 4面
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