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2019年06月12日 00:00
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脱原発政策に固執
第3次エネルギー基本計画を閣議決定

 韓国産業通商資源部は4月19日、「第3次エネルギー基本計画案」を発表、今月4日の国務会議(閣議)で審議・確定した。同計画は、文在寅政権が発足以来推進してきた、脱原発政策を堅持するもの。再生可能エネルギーを中心に据えるというものだが、一方で脱原発政策を疑問視する声は多い。

 同計画案は、エネルギー政策の中長期的ビジョンや目標、戦略を示すもので5年ごとに策定される。計画書のなかで「エネルギー転換を通じた持続可能な成長と国民生活の向上」を目指すとし、2040年までにエネルギー関連事業で取り組む課題を提示した。
同計画によると、40年までに原子力発電を大幅に減らして、現在7・6%の再生可能エネルギーの比率を最高35%にまで増やす。また、石炭火力発電を大幅に削減する方向を打ち出した。
文政権は発足以来、「脱原発」を掲げ、エネルギーの供給源を原子力発電から再生可能エネルギーへとシフトしていく政策を推進してきたが、今回の基本計画案でその方向性を改めて示した格好となった。
エネルギー政策は、経済・社会・環境に大きな影響を与え、国家の安全保障にもかかわる。社会的な合意のもとに進めるべきものだが、文政権の独断専行は目に余る。脱原発政策の修正を要求する動きは活発化しているが、文政権は今年1月中旬には原発解体研究所を設立し、解体産業を育成していく方針を発表、脱原発政策を既成事実化している。
脱原発の道のりには様々な問題が生じることが予測されるが、それらについては言及していない。今回の計画案も、絵にかいたもちで具体的な推進案が盛り込まれていない。
第一に、電力需給の不安定化だ。
これまでの韓国の経済成長には目を見張るものがある。2000年から17年の間にGDP(国民総生産)は約2倍に成長したが、電力消費量もそれに伴って約2倍に拡大した。韓国の1人当たりの電力消費量は、日本や欧州の先進国を上回るレベルにある。製造業の育成や海外企業を誘致するためにも、国家戦略として国が電気料金を管理、抑制施策をとってきた。そして、それを可能にしたのが、発電コストを低く抑えられる原子力発電であった。原子力発電の稼働率を下げたことから昨年、もっとも電力需要の多い7~8月に電力の供給不足が懸念された。今年も電力需給を心配する声は多い。しかし、現政権は、こういった問題から目を背けポピュリズム政策に徹している。韓国電力は3日、電気料金の累進制を緩和あるいは廃止する案を公表している。夏のエアコン使用などによる電気料金の負担をできるだけ軽くするのが狙いだ。
韓電は昨年、2080億ウォンの営業赤字を計上し、今年1~3月期の時点ですでに営業赤字が6299億ウォンに達している。こういった状況下で、文政権は電気料金の引き下げを検討している。韓電の新たな負担額は2000億~3000億ウォンに達するとも見込まれ、損失分は当然、税金で穴埋めされる。
再生可能エネルギーにシフトしていく場合、その予算をどこから充当するのか。これも国民の税金から拠出されることになる。17年時点での再生可能エネルギー利用の割合はわずか1・6%。これを今後20年間で35%にまで引き上げるためには莫大な資金が必要となる。また、シフト後の電気料金も考慮する必要がある。エネルギー政策の見本となっているのがドイツだ。現在、ドイツでは再生可能エネルギーの割合が文政権の目指す35%に達している。一方で、ドイツはEUで、もっとも電気料金の高い国だ。現在、韓国の電気料金は1キロワット/時当たり125ウォン程度だが、ドイツは389ウォンと3倍だ。
環境問題も浮上してきている。近年、韓国ではPM2・5による大気汚染が深刻だ。中国が発生源との見方をされているが、石炭を利用した火力発電の影響も見逃せない。文政権は、脱化石燃料政策を打ち出しているが、新設中の石炭火力9基のうち7基はそのまま建設が決まり、残り2基はLNG火力に転換されることになった。再生可能エネルギーに移行するなかで、石炭火力への依存がさらに高まる危険性がある。
こうしたなか、文政権は「脱原発は世界的な流れ」と主張しているが、英国は35年までに原発13基の建設を進める。フランスは当初、25年までに原発発電比率を減らすことにしたが、温室効果ガス削減などを考慮し35年へと10年延期した。福島原発事故のあった日本でさえ、30年までに原発の比率を20~22%に拡大する。

2019-06-12 2面
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