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最終更新日: 2019-06-12 00:00:00
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2019年05月29日 00:00
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日本の「国学」について

 百田尚樹著の『日本国紀』が幻冬舎から刊行され、65万部というベストセラーだそうだ。同書に対し、他の出版物との類似があるなどとして、ツイッター上でたびたび批判していた作家が、幻冬舎から刊行予定だった著書の出版中止の通告を受けたことから、幻冬舎に善処を申し入れたのだが、逆襲にあったようだ。
幻冬舎の社長は、批判した作家が過去に出版した本の実売部数を暴露し、売れない作家に批判する資格はないというような姿勢を見せたということだ。出版社は単なる営利企業ではなく、活字文化の担い手であるにもかかわらず、発売部数でその著作の価値を判断するとは何事かという論調で、重商主義の権化のように見える幻冬舎の社長に対する批判が噴出しているのだ。出版社の社長にあるまじき行為だという。
とまれ、この騒ぎをみて、なぜか江戸時代の国学隆盛のことを思い出してしまった。日本における国学は、江戸時代中期に勃興した学問とされ、和学や皇朝学、古学や古道学などと称される場合もあるのだが、日本古来の学問を研究し、日本独自の精神世界をそれらのなかから見出そうとするものだとされている。それまでの学問は、四書五経をはじめとする儒教の古典や仏典の研究を中心としたものであった。
国学は荷田春満に始まり、その門人の賀茂真淵が完成させ、賀茂真淵の門人である本居宣長が大成させて、本居宣長の門人である平田篤胤がさらに発展させたと評価され、この4人が国学の4大人と称されている。
つまり、江戸で初めて国学の教場を開いた荷田春満は、古典から古き日本の姿を追究しようとする「古道論」を唱え、荷田春満の国学を体系化して学問として完成させたのが賀茂真淵である。賀茂真淵の門人である本居宣長は『古事記』を研究することにより、国学を大成の域に到達させ、本居宣長の門人である平田篤胤は、本居宣長の「古道論」を「復古神道」に発展させることになり、この思想が幕末の尊王攘夷思想にも影響を与えた。
『アジアのなかの日本再発見』(上田正昭著、ミネルヴァ書房)で、4大人に対し興味ある比較をしている。1965年、共同通信社文化部の企画で、『新・国学談』をテーマに、林屋辰三郎・梅棹忠夫・梅原猛・上田正昭の4氏による座談会が行われ、席上、4大人の話になった。林屋辰三郎・梅棹忠夫・梅原猛・上田正昭の4氏は、現代日本を代表する学者であり、オピニオンリーダーであることはよく知られている。その彼らが、国学4大人を追慕することは、日本全体の世論が国学4大人の主張を支持する土壌が根付いているということを如実に示すものであろう。すなわち、アジア諸国、特に朝鮮を軽侮する諸説を容認する土壌といえよう。(韓登)

2019-05-29 4面
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