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2019年05月22日 00:00
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海を渡った先人達<6> 先人2人目 卑弥弓呼素(ひみきゅうこす)

 高句麗王「憂位居」(東川王)=「位宮」が日本列島に渡って来た可能性があることはすでに述べた通りです。<馬韓の卑弥国から来た、素は「弓」と呼ばれた人>という意味の名を持つ狗奴国の男王「卑弥弓呼素」が、はたして、高句麗王の憂位居なのでしょうか。
卑弥呼の死後、卑弥弓呼素は魏志倭人伝の「改めて男の王が立ったが、国中が服従しなかった。更にもっとひどく互いに殺し合った結果、殺された人は千人余りにものぼった」との記述から、倭王に就任したと推察されます。
卑弥呼と卑弥弓呼素の争いに対して、魏の少帝が下した卑弥呼のほうを処刑するという裁定に納得できなかった邪馬壹国の民衆は、その後倭王に立った卑弥弓呼素をまったく受け入れず、「NO!」を突きつけたということです。そのため、邪馬壹国と狗奴国の間でさらに激しい戦いが繰り広げられたと理解しています。
ところで、卑弥弓呼素の狗奴国の「奴」は、現在<な>と仮名が振られ、狗奴国と読まれています。しかし、当時「奴」は、ほんとうに<な>と発音されていたのか疑問に思っています。それは、次のような理由からです。
『後漢書・東夷伝』を基に書かれたと思われる『北宋版、通典』というものがあります。そこに「後漢の安帝永初元年(107年)倭面土国王帥升が、生口(奴隷)160人を献上した」との文があるのですが、その中の「倭面土国」に注目しています。倭面土国の意味や読み方などについては諸説あり、いまだに確定されていませんが、現在のところ<ヤマト国><伊都国>などの説があります。
「倭」という漢字には、<ウォ>と発音する「低い」という意味と、<ウェイ>と発音する「遥か遠い」という意味があります。私は後者の意味をとって、倭面土国は「遥か遠い方面の土国」ということだと解釈しています。つまり倭面は国の名前ではなく、土国にかかる<遥か遠い>という形容詞で、土国が国の名前だったという考えです。「土」の中国語の発音は<トゥ>であることから、倭国では、<ト>または<ド>と発音されていたと思われます。
その土国が朝貢した西暦107年を50年遡った西暦57年に、後漢の光武帝から「漢委奴国王」の金印を賜った王は、土国の王「帥升」の父か祖父であると考えるのが自然です。
また「漢委奴国王」の意味は、直訳すると<漢が任命した奴国の王>となります。この意味から、奴国の王は、漢王朝の支配下に置かれたようです。その子孫が「土国」の王だったら、「奴国」の「奴」は、<ト>か<ド>と発音していたと推察することができます。
このようなことから、狗奴国の「奴」も<ト>か<ド>と発音されていたと考えられます。

2019-05-22 6面
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