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最終更新日: 2019-05-15 00:00:00
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2019年05月15日 00:00
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韓国での「北送事業」の位置付け
北の全住民が解放対象

 在日同胞は韓半島の南部出身者が多く、帰国を望む多くの人が「南」への移住を望んだが、当時の韓国は朝鮮戦争で経済状況も悪く、在日同胞の受け入れには消極的な姿勢だった。在日同胞を受け入れる余裕が当時の韓国にはなく、また政情が不安定な韓国への帰国を不安視する同胞もいた。
当時の日本政府は、こういった背景もあり、北送事業に対して前向きな姿勢を示した。帰還事業を促した組織が朝鮮総連と日本共産党だ。「北韓は衣食住が保障された地上の楽園」と、うその宣伝活動を行った。
一方、韓国政府は、同事業を阻止するため国際裁判所に提訴した。しかし日本政府が拒否するなど外交的限界にぶつかった。韓国側は工作員を送り込み「新潟日赤センター爆破未遂事件」などのテロ工作まで図ったが、失敗。国際社会からも批判を浴びることとなった。以降、1965年に韓日の国交が正常化されるまでこれを見過ごすしかなかった。
在日同胞は、当時の韓国政府をどう見ていたのか。北送事業を打破しようとする努力が足りなかったという意見もある。
当時、北送事業に対して反対運動を行っていた民団だが、その傘下組織として最前線で活動をしていた在日韓国青年同盟出身者3人は「韓国政府からの接触はなかった」と振り返った。韓青の組織局の一員で北送列車阻止活動にも参加した夫昇培氏は「当時の藤山愛一郎外務大臣が北送に言及した時から反対運動を始めたが、政府レベルでの支援はなかった」と語った。
当時、韓青の文教局長だった金東日氏は「北送の半年前から新潟に出入りしながら反対運動を続けてきたが、民団のみの活動だった」と述べた。金東日氏は、北送事業への抗議のため大阪から東京の外務省まで自転車で走破した「自転車抗議団」の一員だった。韓青の総務局長だった金海坤氏は「当時の韓国政府は信用できなかった」とも明かした。
1959年は戦争から10年も過ぎてない時期で、韓国国内も安定していなかったため、やむを得ない側面もある。
しかし、その後も韓国政府は北送事業に対して、同胞奪還への外交努力を行っていない。みすみす北韓に在日同胞を送ってしまった責任は、韓国政府にもあるのではないか。
一方、韓国は、在日社会や日本と北送で北に渡った人々に対しての見方自体が違う。在日社会では、北送被害者たちは取り戻さなければならない同胞だ。しかし韓国にとっては、北送事業自体はもちろん悲劇だが、北のすべての人々が解放対象であるため、彼らだけを特別扱いできない。韓国政府が北送問題に対し、在日社会、そして日本政府とは違う立場をとる理由だ。
一方で、そういう状況であったとしても、北送事業の悲劇を自国民の問題と捉え、より韓国国民に周知させる責任はあるはずだ。

写真:爆破未遂事件を伝える当時の新聞

2019-05-15 4面
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