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最終更新日: 2019-05-15 00:00:00
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2019年02月20日 00:00
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【BOOK】「種の起源」(チョン・ユジョン・著/カン・バンファ・訳)
究極の悪に内側から迫る

 進化心理学者によると、人間は善としてのみ生き残ることはできなかったという。生存と繁殖を成功させるためには、競争相手を殺害する必要もあったからだ。こうして無慈悲=悪は、進化の過程で人間の遺伝子に組み込まれていったとされる。
人間に内在する悪を探り続けてきた作者が、自身の倫理的世界観と戦いながら生み出したのが、本作品の主人公ユジンだ。「普通の人とは世界の見方が違う」捕食者ユジン。サイコパスのなかでも上位1%とされるプレデター。読者が招待される席は、そんなユジンの内側だ。
一人称で語られる本作品は、ユジンの頭の中から逃れることはできない。彼は25歳で、ロースクールを目指している。そして、ある日『血の匂いで目が覚めた』。理解不能なユジンに恐怖を感じるか、共感する自分に戦慄を覚えるか。どちらにしても心はざわつく。作者が韓国のスティーブン・キングといわれる所以だろう。
作者の願いは自己や他者のなかにある「悪」をしっかり見つめ、対峙していくことだという。そう、恐れてばかりではいけない。ユジンは言う、『ぼくは怯えるものに惹かれた』と。
早川書房刊 定価=1600円(税別)

2019-02-20 6面
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