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最終更新日: 2019-07-24 00:00:00
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2019年02月20日 00:00
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東京測地系→世界測地系 理念と限界つなぐ作業を欠く政策
所得主導型成長の限界

 慰安婦問題や徴用工訴訟、レーダー照射問題などがたて続けに生じたことにより、韓日関係が悪化している。日本では韓国に対する制裁措置を実施すべきとの強硬意見が一部で出ており、先行きが懸念される状況となっている。
他方、文在寅政権は慰安婦や徴用工などの歴史認識問題に関して原則的な考えを繰り返し表明するだけで、関係悪化をさほど気に留めていないように思われる。これには、経済ならびに外交面で日本の重要性が低下したことも影響していよう。
一見関係がないように見える安保外交政策と経済政策であるが、「原理主義」「理念主義」ともいえる特定の政治的理念に基づいた政策を進めている点で共通している。こうした思考方式は、80年代の民主化運動期間に形成されたと考えられる。
まず、安保外交政策にみられるのは、韓半島問題を南北主導で解決するという考えである。これが、南北の融和と経済交流再開に向けた「前のめり」姿勢となって表れ、米国との間に軋轢を生じさせる原因になった。
軍事政権の背後に韓米軍事同盟があったため、民主化運動を主導した人たちのなかに、韓米軍事同盟を否定的に捉える人が少なくない。このことが韓半島の緊張緩和が進めば、在韓米軍は撤退するという発言となり、北朝鮮側の主張と共鳴しあうことになる。
つぎに、経済政策に関しては成長パラダイムを転換して所得主導型成長(最近では公正で統合的な社会をめざす包容的成長を多用)を実現させるという考えが基本にある。
これにもとづき政権発足後から最近まで、所得主導型成長に関連した政策(公共部門を中心にした雇用創出、非正規職の正規職への転換、最低賃金の引き上げなど)が相次いで実施された。しかしその成果が乏しく、支持率も低下したため、最近になり経済を強化していく方針を打ち出した。
昨年末に発表された「2019年の経済政策」では、経済の強化が政策掲載順位のトップに置かれ、そのなかに投資促進、起業家精神奨励、消費・ツーリズム促進、輸出促進などが盛り込まれた。 
ただし、これらは補完的なもので、所得主導型成長を継続する方針である。政権の看板政策である上、大統領府が政治的理念を共有する人材で固められているため、内部から異論が出てこないことが影響している。
大統領府には、経済民主化や公正な経済について「理念的」に論じる人物は多くいても、マクロ経済に精通した人材は極めて少ない。
このため、所得と雇用が増えるのは経済成長の結果であり、雇用創出の担い手は民間企業であるという認識を十分に持ち合わせていないばかりか、実施する政策が実体経済にどのような影響を与えるのかを予測できない。その端的な例が、十分に環境が整っていないにもかかわらず、2年連続で最低賃金を大幅に引き上げたことである。
さらに注意したいのは、政策を正当化するために、しばしば「経済格差を拡大する過去の方式に戻ってはならない」「韓国は富の二極化と経済的不平等がもっとも甚だしい国になった」という表現が使われることである。
しかし、経済の不平等を示すジニ係数は09年をピークに総じて低下してきているほか、OECD諸国のなかでも中位にある。
このように、文在寅政権は特定の政治的理念に基づいた政策を進めてきているが、理念と現実をつなぐ作業が行われていないため、新たな問題が生じる。
今後の経済政策運営に関しては、政策間のバランスをどう取っていくのか、財源投入による所得主導型成長と景気対策の実施により財政赤字が拡大しないのか、など不安が残る。
また、徴用工問題では「大法院の判決を尊重する」との見解を示すが、国際法との関連はどうするのか、解決策がみえてこない。
(日本総合研究所 向山英彦)

2019-02-20 2面
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