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最終更新日: 2019-05-15 00:00:00
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2019年02月14日 00:00
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高麗青磁への情熱―168―

金郊工場(三)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画


「誰かいないか、こいつを追い出せ!」
外に出ようとすると鄭鳳寛氏が近づいてきた。
「やれやれ、やっぱり朝鮮語を使いましたね。知らんぷりして日本語を使っていればいいものを。あの老いぼれを上手くあしらえば補助金が出るのに……」
「補助金など要らないです。あんなやつのご機嫌取りはご免ですよ」
資金繰りのために走り回っているうちに、いつしか厳しい冬が訪れた。水は凍てつき、土も氷りついて作業どころの話ではなかった。成形をやっとこしらえても厳しい寒さのせいですぐに壊れてしまった。ここは残念だが作業を中断するしかないと思ったが、一方で燃料さえあれば何とかできると思った。いろいろ思案しているうち、金郊駅構内に山のように積んである石炭のことをふと思い出した。金郊駅に行ってみると、折よく駅長は勤務中だった。
 「こんにちは」
「いやあ、どうしたんですか。柳さんがこんなところへ来るとは、よっぽど暇なんですね?」
「この頃は暇をもて余していましてね」
「天候が急に荒れて、この寒さでは仕事が大変でしょう」
「そうなんですよ。水を使う仕事だから、寒くなると水が凍って作業がまったくできません」
あれこれと世間話をしたあとで、私は本題に入った。
「ところで私が今日ここへ来たのは、駅長さんにお願いがあってのことなんですよ」
「お願いって一体何ですか? 私に出来ることなら何なりと言ってください」
「他でもありません。あそこに積んである石炭を少し貸していただきたいんです。代金は商品が売れたあとで支払うようにさせていただきたいんですが……。そうしてくだされば、駅長さんのお陰で仕事に手をつけられます」
駅長はしばし唇をかんで考え込んでいた。
「ほんとうにすみませんね。貸してあげたい気持ちは山々ですが、同じ官庁だったらねえ。柳さんのところは民間だから、どうすることも出来ないですよ」
「そうですか。よくわかりました」
私は駅長室を出ながら考えた。
〈そうだ、同じ官庁同士なら貸してくれると、確かに駅長は言ったのだ〉
私はその足で郡守のところへ向かい、駅長の言葉をそのまま伝えた。陶器工場の監督官庁は郡庁だから、郡を通じて駅から石炭二トンほどを借り受けてほしい。貸してくれれば商品を売った後に代金を返すので、人助けと思ってぜひとも骨を折ってほしいと頼むと、郡守はこう答えるのだった。
「郡庁は行政官庁だ。この件は、警察署長に頼みなさい。柳さんもよく知っている仲ではないですか」

2019-02-14 6面
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