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2018年11月14日 13:25
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高麗青磁への情熱―158―

四人共同経営(七)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画


いま、日本から来る蓋付き白磁の鉢は一ダースで五〇銭です。それも卸売商に渡さなきゃならないから、よく貰っても四〇銭以上にはならないでしょう。ですから、売値四〇銭からすべての費用を引いてご覧なさい。『腹よりへそのほうが大きい』の俚諺通り、費用のほうが多くかかります。そういうわけですから、ここで陶磁器を作るというのは大変な誤算で、とんでもない間違いです。まあ、それもいいとしましょう。でも、若いもんがこんな山間の僻地にまで来て働きますか? この点も問題です」
朴技官はずっと黙って聞いていたが、やがて口を開いた。
 「いまの柳先生の話を聞いていると、すべてごもっともです。柳先生は社会経験が豊かで、利害の計算がお出来ですが、私は紙と鉛筆だけの机上の空論ばかりもてあそぶ素人であることがわかり、自分でも悲しくなりました。すでに機械まで運び込んだものをそのまま放っておくわけにもいかないし、どうしてよいか分からなくなりましたよ」
「でもここは早くあきらめたほうがいいですよ。このまま取りかかると、もっと困難にぶつかるばかりでしょうし、それに日本人が結果を見てどう思いますか? いま、あきらめれば残念なことは残念ですが、さらに大きな損失はないでしょう」
「柳先生のおっしゃることはそのとおりだと思いますが、残念なことですな。この機械や設備品は伐峙と房谷の人たちの血と汗でここまで運んできたんです。やがてうちの国が独立すれば大切に使うこともできるのですが、いまは錆ついて腐らせておかざるを得ないのが惜しくてなりませんよ…」
「まったくおっしゃるとおりです。かといって、将来のことをとやかく言ってみても始まりません。きっぱりとあきらめることが肝心ですよ」
そんなことがあってから三か月くらいして、ある日朴亮根がまた訪ねてきた。今度は僻村でもなく、機械設備も完璧なところがあるという。しかし私はそれに応じることができなかった。机上の空論ばかりしている人とは話が通じないからである。
私が断ったにもかかわらず、彼はまた私を訪ねてきた。彼の切実な哀願に、私は根負けした。もうしかたがないと思い、あきらめて彼について行った。今度は清州にある道庁に案内された。
私はそこで産業局長の日本人に引き合わされた。道庁の局長といえば高い地位にある。というのは、局長から道知事になるケースもあるからだ。
私たち三人はバスに乗り江外国民学校近くに行った。そこにはすでに百キロ級の粉末機一台とプレス機一台、さらに機械轆轤一〇台が備え付けてあった。それに、窯を見ると平窯と登窯の二つがあった。もうすでに基本的な設備は据え付けられていた。

2018-11-14 6面
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