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2018年10月31日 00:00
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高麗青磁への情熱―156―

四人共同経営(五)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画


「滞りなく準備しようと思えば、どうしても三、四か月は必要だよ。だからあまり焦ったり心配しないで、うまく処理するようにしなさい。それから製品が出来上がって知らせてくれれば、当分の間は私が見てあげるから。鍾九を連れていけばことは簡単だから、安心して行きなさい。そして、開城に行ったら信用をなくさないように、がんばれよ」
鍾九とは黄仁春の長男だ。
 黄仁春を開城に送ってからというもの、崔仁煥が疲れのせいかブツブツ言い出した。どうせなら自分を送るべきだったのではないかと、私に文句をぶつけるのだった。挙句の果てには、黄仁春を送ったのは、私が二重の収入を得るためだと言って罵るようになった。私はこんなことになるとは思わなかったが、ごたごたはご免だった。そこで崔南星に、辞めたい心の内を語った。すると南星は、
「この工場は柳さんが作ったものなのに、仁煥君に負けてはいけないよ。いきさつから言うと、仁煥君のほうを追い出すべきだよ」
「そうしたら仁煥君が失業することになるから、むしろ私のほうが辞めることにするよ」
「そんなに開城行きを望むなら、仁煥君に開城へ行って働けといえばいいのに、どうして柳さんが辞めなくちゃいけないんですか。この工場はどうなるんですか?」
「仁煥君を開城に行かせたら、今度は仁春君がどう思うかな?」
翌日、私は二人を座らせて話をした。私は諄々んで一言半句も吐かなかった。
「われわれ三人のうち誰かが不満を抱きながら仕事をすれば、うまく行くはずがない。いっそ私が辞めるから、二人でちゃんと運営してくれないか」
そう言い残して、私はすぐに工場を去った。
その後、私はときどき開城にある黄仁春の工場を訪れ、彫刻をやってあげたりした。そんなある日、朴亮根が訪ねてきた。彼は日本の工科大学窯業科出身で忠清北道道庁の技官だった。道庁で彼を招請し、直営の陶磁器工場建設の計画を立てる一方で技術者を探し求めていた。そこで、私の名前が挙がったという。彼が言うには、忠清北道丹陽に工場候補地を定め、設備もほぼ調えているとのことだった。
私は彼について行った。バスに乗り丹陽に行き、そこで一泊した。翌日、丹陽郡大崗面まで二〇里(韓国の一里は約四〇〇メートルほど)の道を歩いた。新しく作られた道はよくできていたが、移動の手段は何もなかった。さらにそこから険しい山道を二〇里あまり行くと、房谷という村が現れた。
あちこち点在する家屋を数え上げてみてもやっと二〇戸ほどにしかならない閑村だった。

2018-10-31 6面
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