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2018年10月24日 10:34
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東京測地系→世界測地系 国家競争力から見る韓国経済の特徴
2018年は韓国15位、日本5位

 世界経済フォーラム(WEF)は毎年、国家競争力順位を発表している。2018年の国家別総合順位を見ると、対象となる140カ国のうち、日本は5位、韓国は15位にランクインしている(ちなみに、1位米国、2位シンガポール、3位ドイツ)。購買力で表したGDP基準からみると、韓国の経済規模は14位で、WEFが示した国家競争力15位とほぼ同レベルである。ところが、総合順位だけでは各国の特徴がつかめない。
WEFは、多様な評価項目を設け、国家競争力の順位付けを行う。いくつかの評価項目に基づき、韓国経済の特徴を浮き彫りにしてみよう。その順位によると、韓国は情報通信技術(ICT)の普及と、公共部門負債の持続可能性で1位を記録。それに対し、市場支配の程度は93位、労使関係の協力は124位と、順位がかなり低い。
まず、ICTの普及が1位であることは、それだけ韓国社会のデジタル化が進んでいることを裏付ける。ICT普及順位の元となる項目を掘り下げると、光ファイバー・インターネット加入者項目が1位で、韓国人の「速さ好き」が目立つ。なぜ韓国は、速いスピードを好む社会となっているのだろうか。
地政学的な立場からして、韓半島は大陸と海洋文明を結ぶ要衝だった。目まぐるしく変化する国際情勢の下、韓国はその都度生き残るためにも、意思決定の速さが求められたとも言えよう。そのような地政学的要因も働き、韓国人には「速く速く」という行動パターンが、知らず知らずのうち身に付けられて来たのかも知れない。韓国人の速さ好き志向を体現したのが、通信スピードを競う光ファイバー・インターネット加入者1位、という結果にも表れたとも捉えられる。
次に、公共部門負債の持続可能性も、韓国が1位ということについて触れてみよう。日本の国家債務はGDPの2倍を超えるが、韓国の国家債務はGDPの4割程度であり、それが公共部門負債の持続可能性1位に結び付いたのであろう。とはいえ、韓国と日本の立ち位置が違うことも、念頭に置く必要があろう。
韓国と北朝鮮との対峙もあり、韓半島は戦争勃発の余地が比較的高い。戦争が起こると膨大な資金繰りに走り、それを国債発行(財政赤字)によって賄ったりするのが常である。戦争勃発時の備えのためにも、韓国は国債発行を極力抑えようとしてきた側面も大きい。
最近、韓国の財政運用が大きく変わろうとしている。WEFの国家競争力順位付けは、その年々の国家競争力を示すに留まっており、これからの見通しについては語らないという限界を孕む。今後、韓国が公共部門負債の持続可能性1位を保つことは容易ではなかろう。
少子高齢化の進展による社会保障・福祉支出の膨張で、日本と同じく、歳出不足を補うための国債発行を余儀なくされつつあるからだ。多額の負債を抱える家計が多いことも、韓国の懸念事項だ。
一方、市場支配の程度(93位)や、労使関係の協力(124位)という項目において、韓国の国家競争力は相当低い水準にある。市場支配の程度という項目において、その順位が低いのは、サムスン、現代、LG、SKなど少数の財閥による、偏った市場支配の影響が大きな要因と言えそうだ。労使関係の協力の度合が低いのも、財閥中心の産業構造とかかわりが深いと言えよう。
大企業で働く労働者は自分たちの権益を守りたい思いが強く、労働組合の活動も激しくなりがちな傾向を帯びる。その傾向が労使関係の協力を難しくする要因として働く。今まで労働組合がなかったサムスンの場合は、労働者への待遇が相対的に高かったと言える。
韓国が国家競争力順位を高めていくには、大企業(財閥)と中小企業との格差是正問題が、喫緊の課題としてのしかかっているわけだ。
(横浜市立大学国際総合科学部教授 鞠重鎬)

2018-10-24 2面
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