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最終更新日: 2018-12-12 00:00:00
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2018年09月27日 00:00
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東京測地系→世界測地系 所得主導型経済政策の現状
前例のないペースで進む貧富の格差

 韓国経済には現在、個別に見れば好調な指標も見られる。
例えば、今年4~6月には全体では家計所得が前年同期比で4・2%増えている。一方で、所得格差が過去10年で最悪の数字となっている。
所得全体が伸びたのは、下位60%の所得が減少し、上位40%の所得だけが大幅に伸びたからであり、貧富の格差拡大・二極化の解消を最優先課題の一つとして掲げる文政権の成果とは言えない。
しかし、韓国大統領府は、「最近悪化した雇用・家計所得指標は、所得主導型成長の放棄ではなく、むしろ所得主導型成長をスピード感ある形で推進すべきである。韓国経済の現在の姿は、この1~2カ月で形成されたものではない」とコメント。過去に責任を転嫁する一方、所得主導型成長のみが本来の成長に繋がるとしている。
韓国経済は、ボラティリティが大きく、たとえば国際環境の改善などが起これば、突然一気に改善する可能性もある。また、政策効果がじわじわと出てくる可能性もあることから、筆者としてはもうしばらく、文在寅政権の経済政策効果を見守りたいが、韓国国内では、「ここまでの結果は悪く、また今後どうやって改善していくのか具体的な説明がない」と厳しい評価が多い。
上述した通り、韓国国内では「雇用政府」「所得主導型成長」を掲げる文政権下で、雇用情勢の悪化に続き、貧富の格差が前例のないペースで広がり、「所得ショック」まで発生しているとの厳しい評価が突きつけられ、これが支持率低下の背景ともなっているものと見られている。
また、韓国政府・統計庁は今年第2四半期(4~6月)の家計動向調査で、所得下位20%の世帯の所得が月額で132万4900ウォンとなり、前年同期に比べ7・6%減少したことを明らかにした。
所得下位20%の所得減少幅は、今年1~3月(8・0%減)よりは小さかったが、4~6月期ベースでは2003年の統計作成以来、最大となっている。
所得下位20%の勤労所得は15・9%、事業所得(自営業者)は21・0%減少している。最低賃金引き上げなどで低所得層の勤労者の所得を引き上げれば、消費が改善し、経済全般に活気が戻り、韓国経済が新たな成長軌道に入るという所得主導型成長論は事実上、否定された格好である。
反対に、所得上位20%の所得は月額913万4900ウォンで、前年同期に比べ10・3%増えている。
所得上位20%の世帯所得が2桁台の伸びを示したのは、2003年に統計を取り始めて以来初めてとなる。
不動産価格の急騰、フルタイム労働者の待遇改善などが所得上位の収入増に繋がった。
こうした中、文大統領と大統領府の張政策室長が、「所得主導型成長」を死守するとの発言をしているにもかかわらず、金東〓経済副首相はややトーンの違う発言をしている。
即ち、例えば国会予算決算特別委員会の答弁では、「所得分配の悪化は『所得主導型成長』のせいか?」と問われたのに対し、「所得主導型成長と最低賃金引き上げが雇用に与える影響に関しては、最下位階層、自営業、生活が苦しい方々に一部否定的に作用した側面があり、一部耳を傾けるべき部分がある。所得主導型成長が一方的に過ちだったとか、問題がなかったとかいう極端な主張は望ましくない」と回答している。
金副首相のこうした発言は政権内部の役割分担によるものなのか、政権内部の分裂の表れなのか注視していかなければならない。国内経済にも不安要素を抱える韓国経済に対しては、国際経済情勢が与える影響も大きい。
次回は、昨今の世界貿易の現状、米中貿易摩擦が韓国に与える影響などを概観していきたい。
(愛知淑徳大学ビジネス学部ビジネス研究科教授 真田幸光)

2018-09-27 2面
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