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2018年09月05日 00:00
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高麗青磁への情熱―149―

咸北陶磁器工場と私(三)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画


「値段が上げられないのでしたら、いっそうのこと買い手側の運賃負担とすれば……」
「それについては現在交渉中なんですよ」
話していると、夕食がでてきた。
「夕食までご馳走になるのは……」
「何をおっしゃられます。家まで訪ねてこられた方に、そのまま帰すなんてことができますか」
「でも、先生が永登浦にいらっしゃったときには何の接待もできませんでした……」
「そのときとは立場が違うじゃありませんか。外の客地にいる人と自分の家にいる人とでは、立場が同じじゃないですよ。そんなことは言わないで食事でもなさって、夜は泊まって一緒にゆっくり話しましょう。さあ、一杯やりませんか」
 「酒は好きなほうではありませんので……」
「それなら酒は勧めません。食事でもたくさん召し上がってください」
食後、勉在氏が言った。
「さっき暇だとかおっしゃったけれど、永登浦での仕事はどうなりました?」
「辞めました」
「どうして?」
「共同経営というのは実に難しいもんです。私も心が寛大ならこうして暇をもて余したりしなくてすんだのですが……」
「何度も行ってみたけれども、柳さんが経営しているとばかり思ってましたよ。資本主が他にいたんですね。その人の干渉がきつかったんですか」
「とにかく、その話はよしましょう。長く話すと相手の悪口が出てきますので……」
話がはずみ、その夜は崔氏宅に泊まった。
翌朝、彼は工場の従業員たちに私を紹介した。
「せっかくこちらにまで来られたんだし、咸鏡北道で一番大きい陶磁器工場を見学しませんか?」
「どこにあるのでしょう? 案内さえしていただければ……」
「昨日いらっしゃる途中でご覧になられたはずですが」
「大通りにあった『咸北陶磁器工場』のことですか?」
「ええ」
「誰の経営か知りませんが、とても大規模な工場のようでしたよ」
「あんな大工場の経営を他に誰ができますか。言うまでもなく、残念ながら日本人ですよ」
「崔先生もよくご存知ですか?」
「もちろん知ってますよ。社長も私の工場によく来るし、私も何度か行ったりして、つきあいがありますよ」

2018-09-05 6面
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