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最終更新日: 2019-01-17 00:00:00
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2018年08月29日 00:00
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【BOOK】別れの谷 消えゆくこの地のすべての簡易駅へ(イム・チョル著/朴垠貞 小長井涼 訳】
過去にとらわれた人、忘却を拒否する人… 心のひだに埋もれた記憶の数々を発掘する

 別於谷―「別れの谷」という哀しい名前を持つ山あいの鈍行列車の簡易駅。駅舎はどんぐりの殻に似た小さな建物だ。高速鉄道の開通により消えてしまった簡易駅がいくつもあり、別於谷駅もその一つである。
1970年代までは行き来する人が大勢いた。故郷を離れていく人、それを見送る人たち。
「わたしのことを記憶しつづけていてください」―別於谷駅を訪れた著者が、夢の中で聞いた言葉だ。目が覚めてそれは駅が話しかけてきたのだと悟り、そこを舞台とした本書が生まれた。
二人の男と二人の女のエピソードが綴られる本作品は、じつは別於谷駅が主人公なのである。
著者は、81年ソウル新聞の懸賞小説に応募、短編「犬どろぼう」が入選し文壇デビューを果たした。短編・長編ともに評価が高く、本作でも大山文学賞に輝いた。
時代の流れとともに忘れられていく人々の悲しみを、歴史的事件を絡めながら表現していく作家で、叙情的な文体に定評がある。本作品でも著者の世界観を存分に味わってほしい。
三一書房刊
定価=2000円(税別)

2018-08-29 6面
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