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最終更新日: 2018-07-11 00:00:00
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2018年06月27日 00:00
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【映画】『正しい日 間違えた日』(韓国)
タイミングのずれから前・後半で異なる物語に

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 世界3大映画祭コンペ部門の常連で、デビュー以来22年間で22作品を世に送り出しているホン・サンス監督が、実生活でも恋人であることを公言したキム・ミニと初タッグを組んだ話題作だ。
いつも実体験を映画にしているように見える監督が、今作でも軽妙な会話と、ちょっとしたタイミングのずれから結末が大きく変わる前半と後半二つの物語を組み合わせるユニークな構成でファンを魅了する。
自作の映画上映と講演のため世界遺産の街、水原(スウォン)にやってきた映画監督のハム・チュンス(チョン・ジェヨン)は、主催者側の手違いで1日早く到着してしまったことを知る。
雪でも降りそうな天候の中、時間をつぶすために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性ヒジョン(キム・ミニ)に出会ったチュンスは一緒に温かいコーヒーを飲みたいと誘って人生を語り合い、お酒も入ってすっかりいい雰囲気になるのだが……。
前半は順調といっていいだろう。いきなりチュンスから声をかけられたヒジョンは警戒気味だが、相手が有名監督と分かった途端、この出会いに興味を持つ。チュンスから絵が上手いとほめられれば、ヒジョンも悪い気はせず、「私には友達がいない」と同情を誘うそぶりまで見せる。すっかり意気投合し、もう一押しでチュンスの思いは成就する気配だったが……。ここで物語は一つのエンディングを迎える。
映画の後半は、前半と同じ登場人物によりほぼ同じ流れで話が進んでいくが、チュンスがヒジョンの絵を酷評したり、逆に飲み屋で彼女に「可愛い」を連発したりで、不穏なたたずまい。さらには、彼女の先輩たちが飲んでいる店で服を脱ぎ始めたりと暴走し始める。常識的にはこれで「アウト」となるはずだが、ヒジョンの反応は意外にも……。
映画のタイトルからすれば事の展開は「正しい日 間違えた日」で合っているように見えるが、結末は天国と地獄のどちらになってもおかしくはなく、「この言動が分岐点」などと分析できる人はいないだろう。監督は「人生なんて分からん!」とでも言いたげである。
今作でも軽妙なセリフの応酬は見どころの一つだ。そのセリフと見事に歩調を合わせた演技がまたすばらしい。キム・ミニの地で行っているのではないかと思わせる小悪魔的表情からも目が離せないが、監督役としてダメ男に徹したチョン・ジェヨンの泣き笑いは「演技を超えている」としか言いようがない。ぜひともホン・サンス式マジックを堪能していただきたい。
本作は、第68回ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)と主演男優賞をダブル受賞。2015年の東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門では「今は正しくあの時は間違い」のタイトルで上映されている。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)

公開=6月30日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
公式HP=http://crest-inter.co.jp/tadashiihi/

2018-06-27 6面
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