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最終更新日: 2018-09-20 00:00:00
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2018年03月21日 00:00
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高麗青磁への情熱―132―

新案特許(三)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 「頼みだって? 腰帯装飾の彫刻を回して欲しいんだろう?」
「そのとおりだよ」
「おい。松毛虫は松の葉を食うべきで、柏の葉を食ってはパサッパサッという音がするというじゃないか」
「じゃ、回してくれないのか?」
「そう言うなよ。最初作るとき、ぼくがどう言った? 流行(はや)らせるって言っただろう?」
「流行というのはせいぜい一~二年が命だよ。だから、そんなこと考えるなよ」
「それじゃ、仕方がないな」
その日、二人は気まずい気分で別れた。
 次の日からいろいろなところを回ってみると、注文は殺到した。作る暇もないほどの忙しさだった。注文されたばかりのものを作るのだから、いつどこから、模造品が出てくるかもしれなかった。
結局、模造品防止には特許を取ることが先決だと考え、東京特許局に照会することにした。暫(しばら)くして特許局から返事が届いた。登録には特許登録、新案登録、意匠登録の三種があったが、新たに発明したものは実用新案に登録すればよかった。商品四個と、商品についての青写真四枚、そして書類を各四枚ずつ同封して手続きした。
暫くして、特許局から受取証と受付番号一四番が送られてきた。それからは商品に受付番号一四番を記して売り、正式に登録される日を待った。しかし、ことは簡単ではなかった。四都市の商工会議所に一つずつ陳列し、六か月世間の反応を見て、それを通過して初めて登録される。
数か月後、特許局から通過したから登録金を送るように、との通知があった。登録金は、特許登録が一年に一〇円、実用新案は一年に五円ずつ三年分一五円を、収入印紙を貼って納めるようにとのことだった。私が登録金を納めて一〇日目に、三年分の領収証とともに「実用新案登録第一八七三号」登録証が出た。
しかし、私が腰帯装飾を作り始め、実用新案登録を終えるまでの一年七か月の間に、すでに模造品が出回っていた。アルミニウム製の三種と、真鍮にニッケルメッキしたものを合わせて四~五種が出回り、私のものは目に見えて売れ行きが鈍りはじめた。
各地からの注文は激減し、価格を下げろとの要望だけが押し寄せた。商品は良いが値段が高くて売れないので、下げて欲しいという要請であった。私のものが一〇個五円であるのに、日本のものは一二個で二円五〇銭であった。
在庫が余っているのに売れないのが気がかりだった。私は日本のどこで商品が作られているのかを調べるために、各地方を巡り歩いた。どこの商店にも商品がうず高く積み上げられていた。だが、店主たちが言うには、注文取りが持ってくるので商品の製造元はわからないとのことだった。

2018-03-21 6面
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