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最終更新日: 2019-02-14 00:00:00
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2018年02月28日 00:00
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高麗青磁への情熱―129―

苦心の末の成果(五)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 「やあ、柳君。入れよ。日本に行ってるって聞いていたけれど、いつ帰ったんだ?」
「三、四日前だ」
「しかし、こうして会ってみると君にすまない気持ちでいっぱいだよ。以前は結婚式なんかあれば一日中座って、かんざしとか指輪なぞ作ったし、もちろん閑古鳥の鳴く日もあったけどね。それから、漢陽高麗焼に紹介し、彫刻を教える仕事などやっていたのを、君のいない間、事前の知らせもなく善後策も考えなかったのだから、ほんとうに申し訳ない」
「何を言う。こうして生きているんだからいいじゃないか」
「でも、友人の義理を裏切ったようで」
 「そんなふうに考えることはないよ。仕事さえあればいいんだ」
「仕事ならあるさ。最初は信行商会と昌信商会の二か所から陳列品を作ってくれと言ってきたが、最近さらに二か所増えたんだ。鍾路の韓日銀行横の広東商会と、鍾路の四辻の和信商会だ。それで仕事の方はてんてこまいだよ。私は今いろんな商会の陳列品を作るだけでも食っていけるが、君は日本にまで行って、一体どうしたんだい? やつらが君を利用しようとしたので帰ってきたのか?」
「いや、そうじゃない。鈴木という人が何百年前から家伝として高麗青磁を作ってきたんだが、父親が亡くなってからはうまくいかなくなって、それで私を呼んだのさ。私に高麗青磁工場の責任をもって青磁を作ってくれ、妹と一緒になってほしいというんだ。それを振り切ってきたんだ」
「おやおや、そんないい話を断ったのか。それで、何か思うところでもあるのか?」
「これといったものなんか何もないよ」
「じゃ、どうして帰ってきたんだ? あれほど資金のために頑張っても、振り向く者が一人もいないこの朝鮮で、これから一体どうするつもりなんだ?」
「何とかなるさ」
「そりゃそうだろうが……。問題は食っていけるかどうかだ」
「何、生きてる者の口には蜘蛛の巣は張らんよ。それはそうと、日本で鈴木と山本からよくしてもらっていたのに、こうして帰ってきたのは、自分独りだけのことを考えたからじゃないんだ。自分独りのためなら、そのまま日本にいてもよかったよ。日本人は高麗青磁が好きだから金も稼げるし、家庭を持つことも出来たよ。しかし十年も苦労を重ねて研究した成果を、どうして敵国の日本人に教えなきゃならんのか? それで、帰る決心をしたんだよ」
「君の気持ちはよくわかるが、でもここでは、すぐに資金を出してくれる人がいないよ」
「心配ない。待ってみるさ」
「待つって、あの世に逝くまで待つ気なのか?」
「そう言うなよ。秋は必ず訪れるさ」

2018-02-28 6面
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